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鉄扇術(下)

では、鉄扇術の技法を紹介します。
基本捌きは、打ち・突き・止め打ちの3種類です。打ちについては、真一文字・横一文字と呼ばれる回し打ちを中核としています。これに左右転身を加え、さらに多敵之位を想定した鶴の舞、四方を囲まれた状況での捌きなど稽古します。杖対太刀の組形では杖・小太刀・懐剣・素手の体捌きはパターン化され共通(共用)なものとしてシステム化されていましたが、鉄扇術の体捌きは、これらとは異質なもので構成されています。

次に、鉄扇を持って、基本技(1~4か条までの一般技・四方投等の基礎技・合気投)を稽古します。続け、鉄扇対杖・太刀・小太刀・短刀・懐剣を体得し、対多人数捌きの稽古に入ります。

さて、次は鉄扇術固有の技法です。これは、ハサみ鉄扇といい、鉄扇で骨をハサみ捌く技法です。順の握りから、縦当て・横当て、懐剣の握りからのハサみという展開です。これは抜力と通力の稽古法で、グイグイ力一杯ハサんでもただ痛いだけ(相当痛いですが)で、効果的でないことを学びます。

そして、秘伝「松葉崩し」の技法に入ります。これは懐剣術と共通の捌きで、どちらかを習えば理解は容易なものです。

さらに、素手対鉄扇を通じて合気捌きを習得します、鉄扇を用いた合気之術への展開を学ぶのです。(完)

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