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呼吸法(中)

(承前)呼吸は動植物の生命維持に必要な活動です。言ってしまえば、動物であれば酸素を吸い二酸化炭素を吐き出すだけの行為です。ヒトは普段、呼吸を意識することはありません。ところが、ヒトの呼吸は自律神経系統により支配されているので、半間接的に呼吸をコントロールすることが出来る、とされています。そこで、先人たちは意識的に呼吸を整え、様々な呼吸法を開発し人体機能の調整を行ってきました。呼吸のどこにポイントを置きどう鍛錬するか、呼気なのか吸気なのか、腹式呼吸ならどのように横隔膜をコントロールするのか等々研究してきたのです。

さて、メモのある動功法とは、肢体の運動を行いながら、意念の集中と各種の呼吸法を結びつけた鍛錬法のことです。

日本伝合気柔術でいえば呼吸体操(呼吸躰動法)がこれに当たります。鶴山先生はこの体操だけやれば気功法は必要ない、とまで語っていました。
意念の集中とは、簡単に言えば、注意力を体の一部に集中させることです。雑念を払い、体のあらゆる部分の状態を感じとる。さらにイメージ操作を行って全体を調整していく、ということでしょう。呼吸体操でいえば、開掌の瞬間に掌に熱感などを感じるとか、両手や両腕間でエネルギーの固まり(ボール)をイメージするなどです。呼吸も掌で行う足裏で行う、丹田を意識するなどイメージ操作を行います。そして、体のあらゆる部分の状態を感じとれるようになれば、関節などの操作、筋肉などの使い方の操作が可能となり、そのまま武術に応用できるということです。

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