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『武道論考』批判6

この本の中に「兵法家伝書の思想に関する一考察(152頁)」という項目があった。これは、日本武道学会第4回大会の発表レポートであった。以下、この要点をとりあげると・・・

上泉伊勢守以来の目録である進履橋を加えて柳生家の伝巻となっている。
石舟斎宗厳のとき、大体出来上がっていたようで、宗矩が修飾して成文化したと見られる。
なぜ、兵法家伝書を作らなければならなかったかは、現代剣道家らしく、歴史観浅く次のように記している。
 一 その流の純粋性を保持するため
 二 最も純粋なものを師の定めた正しい継承者に伝えるため
 三 人を殺す時代は終わった、指南役の立場上潤色している
 四 技術の継承は字句の表現だけで可能
 五 家光の質問に対し上書したらしい
以下、伝書の用語の出典研究が述べられ、結語として、用語が仏教的である、今後の課題として技術史・教習史との有機的関連で考える必要がある、としている。
 
補足説明:最後の「兵法家伝書の思想に関する一考察」についての先生のコメントはありません。突っ込みどころ満載ですが、新陰流兵法については、多くのメモや研究記録があるので、このメモでは触れなかったのでしょう。(続)

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