日本伝合気柔術 技法稽古に入る初学者のための基礎知識26
四方投之事
四方投は、槍の直突攻撃に対処する技法(入身技)である。
左半身構えから直突で攻めて来る槍先を避けるため敵の外側(ここでは左側面)に入身・転身しながら抜刀するのである。なお、槍を持って退却する際は、槍先を後方に向け肩に担いで行く。
手持四方投は、疑似負荷の感触の習得と共に間合を覚えることを基本とする。すなわち、
片手持四方投は、太刀で相手を斬ることができる間合であり、
両手持四方投は、小太刀で相手を斬ることができる間合である。
四方投(入身捌)とその変化
手刀横面打 霞に擦り落し→四方投・小手返・入身投・回転投・帯落等に
手刀正面打 2回転捌きし→四方投・小手返・入身投・回転投・帯落等に
非力の養成
非力の養成とは、基本技に入るための基礎鍛錬法であり、上級武士のための基礎鍛錬法である。上級武士は合戦・登城など騎馬操法が必須であり、馬上で安定して両手・上体を使うための鍛錬として行なうものである。
重心の移動(水平・上下)を伴う前進・後退・旋回動作、姿勢の安定の維持動作であり、下半身の関節の柔軟・強化を計るためコンパクトにまとめられた鍛錬法である。この鍛錬法の原形は新陰流兵法の猿廻である。
側面負荷(諸手取)及び正面負荷(両手持)で行なう。