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「兵法百首」から読み解く「新陰流兵法」18

切先に 懸かりそのまま 打つ時ぞ 両一尺の 習いなりける
補足説明:太刀は1尺以上伸び縮みすることはない。敵の太刀の鍔元から1尺のところ(弱い)を我が太刀先1尺のところ(強い)で打つ、これが両1尺の教えです。これには、水月・神妙剣・手字手裏見の3つの心持ちが重要、手足全身で対応することが大事である。
 
兵法に 三つの病気 有るぞとよ それをただ去れ それをただ去れ
病気をば 去りたる人の 打太刀に 名を付けてみよ 是極一刀
補足説明:立合において、敵の顔を見たくなること・敵の太刀を見たくなること・臆すること、この3つを病気といいます。これらの病気を除き(なくし)て、ただ手裏見に心を配ることが大事であるとの教えです。
渉念無念、渉着無着(念に渉りて念無く、着に渉りて着なし)
 
歩みにも 深き習いの 有るぞかし 知らねば迷う 今日の細道
敵に懸かり 運びは跡を 軽くして 右の足おば 踏み入るかな
補足説明:歩法は重要です。まず、安定した立位(立ち方)を学び、次に、そこからの歩き方を学ぶのです。足遣いは鞠(まり)に例えるのが良い、少しも居付かず軽い位がよい、そして敵の歩く遅速同前に歩むがよい、という教えです。

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