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秘伝・合気道 堀川幸道口述 鶴山晃瑞編 19

4 天人地の三法則
合気には、呼吸動作が必ず伴います。この呼吸動作とは、意識(精神操作)を用いて自由自在に制御・操作をコンとローするものであります。これによって合気柔術の技法に「気」を導入することができ、技法に潤滑油的な補正をなすことができるのです。伝統技芸では、腰のバランスと呼吸法による肚づくりが、抑制-顕理の問題として重要視されております。
精神力の鍛錬法としては、禅の修行や呼吸法の訓練がありますが、それだけでは敵から身を守ることはできません。武術である合気術は積極的な肉体訓練により、精神面も充足させるという一石二鳥の方法がとられております。この考え方は、日本の伝統古流武術においては共通するものであります。
会津藩の御殿術であった大東流の合気術は、相手の出方によりその虚実に対応する高度な精神操作法を行使できるよう形として組立てられています。ここに特徴があるのであります。

解説 合気之術の入門編に呼吸体操があります。呼吸体操は、まず動作を覚え→呼吸法を融合し→さらに意念を融合して完成となります。意念を用いて力をコントロールするのは必要な部分だけに通力するためです。これにより関係のないところに力が掛かることで発生する受手の力感・不快感を補正することができるのです。合気之術は戦略的思考がコンセプトになっており、個別の戦闘も重要ですが、戦争に勝つことがより重要と考えます。そのためには固執しない柔軟な発想と対応が求められます。

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