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大東流の三大技法(続)29

合気之術
合気之術とは、大東流三大技法の天之巻の技法です。俗に大東流の合気術などと呼ばれることがありますが、これとは違います。武田惣角から教わったのは唯一久琢磨、そしてこれを引き継いだのは鶴山先生なのです。合気之術に似た技法をやっている団体もありますが、合気之術の意義はそのコンセプトにあるのです。合気之術は、家老職以上の上級武士を対象とした技法で兵法の教訓が各技に要約されている対多人数捕技法を中核としています。

その体系は、手解・乾之巻・坤之巻・日月之巻からなっており、基礎となる柔術・合気柔術・別伝をすべて包含したいわゆる乾坤一擲の兵法なのです。(久琢磨による皆伝の口伝)

手解とは、勢法合気躰動法(呼吸体操)のことですが、なぜ合気之術に手解があるのか?
久琢磨は次のように説明したそうです。
勢法合気躰動法は、養子に来た主君用の速成入門技法である。幼いときに養子に入れば合気柔術からスタートするが、元服以降に養子に来た場合、既に一定の武術の習得がなされている前提でこの体操からエリート教育をするのである。と

鶴山先生はこの呼吸体操を重視しており、朝日カルチャーセンターの教室では毎回必ずやっていました。そして「呼吸体操をマスターすれば、それだけで一流一派を開ける」と語っていました。

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