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日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道21
ところで、合気道とその原形である合気柔術では何が違うのか、鶴山先生の高弟であった稲益先師の整理を紹介します。なお、稲益先師は、戦後の植芝本部道場において内弟子を打診されるほどの実力者でしたが合気柔術を習いたい、と鶴山先生門下となった方です。
合気道
攻撃(掴み・打・突)を捌く=自分の力の方向を
相手のそれに合わせて、流す・導く
特長・攻撃は腰を据えたものではない
・攻撃の動きよりやや早い動きで合わせ、先をとるように捌く
・相手の動きを止めないように捌く
・相手の動きとぶつからないように捌く
そして、相手の体勢が不安定になったとき、素早く先をとり技をかける
特長・受手は仕手の技に抵抗しない(頑張らない)こと
・自然(素直)に受身をとること
・施技の際、当身動作を用いないこと
合気柔術
攻撃(掴み・打・突)を捌く=攻撃を避け、入身・転身・当身等で
捌き崩す
特長・攻撃は腰を据えしっかりしたものであること
そして、相手の体勢が不利になったら、素早く施技(制圧)する
特長・残心と誰何、すなわち、相手の態度(返答:人違いとか)
によって、解放かとどめ(極め)かを決断する
この比較を見ると、合気道は相手とぶつかることがない滑かな動きで合気柔術はそれより固い動きに見えますが、受手(攻撃側)のあり方の違いが大きいと思います。いずれにせよ、相手との関係性の中で施技するわけですから、攻撃側の「動き」が必要となります。この動きとは、①動きを継続させる捌きと、②動きを起こさせる捌きがあります。①は、体捌法を用いて相手を崩します。入身・転身法で卍脚・巴脚(六法・千鳥)を用います。②は当身法です。旋手(朝顔・猫之手)法、連続・多段当身を用います。