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力を抜く

何事も、力まないことは大事とされています。
力を入れすぎると最適なパフォーマンスを発揮できないからですね。

武術も同様です。自分が力を入れて捌こうとすると、相手もそれに反応・反射が起きてガンバって・踏ん張ってしまう、ということになり悪くすれば単なる力比べになってしまいます。
「力を抜かれよ!」と言われても、最初のうち、本人には力んでいる自覚はないものです。
逆に「力を抜いたら、立っていられません。」など、ツッコまれそうです。確かに骨格標本は自立できませんね。筋肉・腱・じん帯があって、一定の筋力が必要なことは確かです。

さて、ここで話題にしている「力を抜く」とは、自分の意志で自由に動かせる随意筋である骨格筋の出力を最小必要限度にしたい、ということです。随意筋といっても400余りあるそうですから大きな筋肉しか意識できないし、自由に動かせるという感覚すらないと思います。例えば、一歩、歩くだけでも100を超える筋肉を動員しているとのことですから、一歩前にという意志の後は頭が瞬時に自律的に最適な各筋肉の動かし方を計算してそれぞれの筋肉に指令を出している、ということになります。そうすると、「余計な力が入ってしまう」のは、頭の瞬時処理に何か問題があるのかも知れない、ヒトは最初から歩くことはできませんから、歩くことを学習して、歩くに関する回路を作り、それをテンプレート(ひな形、きまった形)として活用するのでしょう。これを修正しないと力みがとれないということになります。これを癖とするなら、直すのは大変なことです。

自分の体の使い方(力の入れ方)は、武術的観点からは正しくないかも知れないと自覚して、稽古相手に確認しながら、修正していくことが大事だと思います。

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