極意秘伝のはなし28
9為形(しかた)
身の形(腰・起・臥・浮・中・沈)
手の形(取・折・廻・突・受・)
足の形(歩・留・踏・蹴・掛・纏(まとう=からめる)・居)
右の形を専らにして、自分が生まれ持ったところを緩やかに、力みやすくみ(体がこわばって動かなくなる)を無くすことを為形というのである。
技や所作のことではない。このように、自分が生まれつき持っている形がうまく合わないということだから、形の役目は口伝する。当流の考え方からすると技をつくさなくても、心持ちを正しく、為形がよければ柔になるのである。この為形と気を専一と心得ること。この理合を知らずに、いろいろな技を繰り出して、難しく教えれば、技の多さに心が折れ、自分が生まれつき持っている形を失って、最終的にその理合がわからないままになってしまう。
当流の柔においては、いくら技が上手になっても、為形・心気よくうつらなければ勝ちはない、としている。技が多ければ自分を忘れることが多い、結局鍛錬を重ねても、いざという時は為形に帰るからである。形の考えを専らにすべきである。口伝