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新陰流兵法「居相」のこと(上)

新陰流兵法というと誰しも剣術を思い浮かべるでしょう。
そもそも兵法とは、用兵論を意味するほか、兵=武器=もろもろの武術の総称という意味もありました。新陰流においても同様で、各種の槍、薙刀、脇差の技法、心法、日常生活や馬上での心得が書伝されています。これらに関する鶴山先生のメモを紹介します。

「柳生新陰流」の写真集3冊が出来上がった。前日(昭和61(1986)年3月5日(水))、稲益君に見せるためACC東京の昼の部に持って行ったところ、関野さんなどが驚いていた、三学円の太刀の取揚げ使いだけでなく、下から使いや九箇の太刀など習っていない勢法が載っていたこと、稲益君が短期間で覚えたことからであろう。その夜、思いついて大坪先生のところへ写真集を持って行くことにした。
2年前のビデオの収録は全く覚えていないらしく、「ビデオ」の言葉の意味も判らない様子だった。今の病院は社会復帰専門の病院で、1月10日に入院しており、4月10日には退院予定である。歩行は全く困難な状態で、言葉の方は一向に回復しないが、体調自体は良さそうである。「ガンバルね」「マジメだね」「ドンドン進め」とでも言いたいのか拳を振り上げる自分もガンバルという様子を示していた。写真集を見せるとここが違うという意思表示をするなど新陰流に対してはよく理解していることが判った。
こんなことから、今回(3月5~6日)は江戸柳生系合気柔術、第1か条の序破、表裏を指導した。

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