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極意秘伝のはなし3

最近になって、体育武道及び武道即事業ということがよく言われるようになりました。

体育武道とは、筋肉の強健発達とその発達に努力する精進と精神を取り上げて、それを現次の物理学的基礎に立脚して組立てようとしています。

武道即事業では、世人には耐えがたい難行苦行に打ち剋つ努力と、相手との勝負に縦横無尽の技の応酬を実業経営に活用したら、現代の実業は益々隆昌発展するのではなかろうか、ということであります。

前述したところの反射運動を参考にすると、現代の武道には知育・徳育・体育の三つが必要であることは、誰もが合点するところであります。

さて、前提が余りにも長すぎましたが「武道極意秘伝」の中で現代に伝えられているものの中から二三を紹介いたしましょう。
武道の免許皆伝には、最初に記した外形(五体)を主とするとともに、内形(内蔵)の不調により、外形に変化が現われることを特に書き記して伝えられています。

楊心流の祖、三浦柳心は「病気予防の目的のため、居捕五行の手型・起合・行合の手型を工夫した」と記しています。

神道流柔術免許奥書に「臓腑(五臓六腑)経路(手足の表面を遠心性と求心性に向う三行の神経)を正さしめ云々」として、内臓を起始として、五体末端に向う作用と、末端より内臓に向う作用とを教えています。同書の安政3年の極意書に「陰・陽・水・火の類、象形ありて、この無事なる時は和一也」とあり、火は陽で太陽、水は陰で月、日月の陰陽より天体自然現象が人体に及ぼす作用を説き、気候和順なれば、人も病むことがない、としています。

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