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どこに基準をおくべきか(続々)

例えば、歌を覚えるには、リズム(拍子)とテンポ(曲の速さ)を基準にして、その中で歌(メロディ)を覚える人と、歌を覚えてそこにリズムと拍子を合わせようとする人がいるそうです。
前者は、結果的に歌が安定し、そこにいろいろな人が参加するアンサンブルも容易と聞きます。歌を基準として覚えた後者は、リズムとテンポを合わせにくいそうです。

これを聞いたとき、体捌と技のことと同じだと思いました。
入身・転身などの体捌を基準として、その中に1か条・小手返などの技が納まっていると考えるか、技を覚えて体捌と整合させるかの違いです。これは基礎と応用の関係ではないか、と考える方もいるかも知れませんが、体捌と技はそれぞれ独立して成立しますから、基礎と応用というよりアプローチの違い・どこに基準をおくべきかの違いと見る方がいいと思います。
体捌を基準とすることでその後の技は何でもOK、応用自在ということになります。技を基準にしてしまうと、慣れるまでは技への入り口が制限され体捌との整合を図ることが難しいのです。どこに基準をおくかで、その後の稽古に大きく影響する、心すべきことですね。

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