技の継承(続)
形とは、例えていうと、武術のデータを圧縮したようなものです。
圧縮されたデータを使うためには解凍処理が必要です。
普通、圧縮ソフトと解凍ソフトはセットになっているはずですが、
武術ではそうなっていないのです。流祖が圧縮ソフトで、継承者それぞれが独自の解凍ソフト。そうすると、解凍ソフトの性能で形の理解度→技の継承に差が生じます。
一子相伝の方法で、子どもの時から稽古を積んでいっても、その子が継承した後、必要十分な解凍ソフトを持てているかどうかは、わかりません。
まして、大人になってから入門したとすると、時間が限られた中で、マスターし、解凍ソフトを作っていくのは大変なことです。
情熱とともに、分析力・集中力を発揮し、これを再現する知力・体力も必要だからです。