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合気柔術のはじまり5

武道の気合というと、直ぐに気合術を連想されると思うが、興行師が創った「気合術」なるものがあるので、武術とは異なるものとして、理解し知っておいていただきたい。テレビなどでよく実演されるものに・・・

真剣握り取り・縄抜け・焼鉄しごき・大根の腹上切り・人橋術・ガラス破片上の歩行・火渡り術などがある。

これら「気合術」でいう“気合”と武術でいう気合とは関係がないものである。これらは、その多くが明治初年に流行した撃剣興行の茶番(ショー的要素)として育てられ、現在でいえば奇術の部門に入る見世物として創り出されたものである。これらを本物の武術と思っている武道家がいたら、その者はまやかし者であることに間違いない。

さて、易経では陰陽の割合は7:3ぐらいがよいとされているが、大東流合気柔術の口伝によれば、合気と気合の比率は易経のそれと同じである。合気術の習得は、武術における気合の習得が出来た者でなければ、武術のテクニックとしての合気は体認できない。つまり、合気道の言葉の意訳のみでは武術になり得ない性格のものである。大東流合気柔術では「合気とは勢力のやりとり、これを受けること」と言っている。これはわかりやすく意訳すると「力をゼロにする」ということを表わしている。

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