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合気柔術の技法16

盛平は、昭和15年惣角が倒れたと聞き、江戸柳生系合気柔術の指導を再開した。この入門コース(合気道の原形)は素人にわかりやすく、大衆指導にも向いていたこと、海軍大将竹下勇など慧眼の持ち主がこの技法の素晴らしさを見抜いていたことなどから、盛平の指導は完全にシフトしてしまった。
しかしながら、実際には、大東流の構成を知らなかった盛平は、当初、柔術を簡易化した合気柔術と江戸柳生系合気柔術を混同して指導したようである。(「武道練習」にその痕跡が残っています。)

合気之術の入門コースとは
合気之術の入門コースは合気呼吸体操であって、陰の形である。この入門コースをやる人は、他家から養子に入った者である。成人して養子に来た場合は、合気柔術の入門コースはやらない。他家でその藩の教育を受けているからである。改めて教育することは失礼に当たることから、合気之術の入門コースからスタートするのである。松平容保などがこの例である。そうすると陰陽虚実法の体得が難しくなるのである。

柔術の目的
柔術である2か条60本は、関節・筋肉の鍛錬を目的としている。第一線で戦う者であるが、敵方の情報収集のため、もし捕らえられたならば、情報をしゃべってはならない。このための、拷問に耐える訓練の意味合いもあるし、脱出の技法でもある。鎧組打ちであるから、重く動きにくい中、相手の力をどう利用するか、転じて、どう行動するか、を学ぶのである。柳生心眼流とは根本的な違いがあることがわかる。

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