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大東流と無刀取り11
この杖を用いたアプローチ、原理は簡単です。太刀の長さよりも1尺(約30cm)長い杖を用いることで、我は斬られ(打たれ)ず、相手を突くことができる、すなわち恐怖をあまり感じない設定で運足等の稽古が出来るということです。そして、杖をガイドに相手との間合を覚えるのです。
鶴山先生はこの杖の形を非常に大事にされていました。筆者も朝日カルチャーで3か月間この形だけやらされたことを今でも覚えています。当時、私を含め会員たちは新しい技を教わりたくてウズウズしていましたが、先生は「この時期(多分1~3月期)、来るのは熱心な会員だから、いい機会なので、ずっとこれをやる。」とおっしゃいました。先生から言われれば仕方ない、と耐え続けましたが・・・。運足の練度は上がったものの、今から思えば、何もわかっていなかったのでした。
ところで、この杖の形、柔術系合気柔術の大東流諸団体にはないこと、鶴山先生は神道夢想流清水隆次氏から「印箇手形之事」を受けるほどの杖道の達人(電電時代に『護身杖道(昭和37年10月)』を発行しています。)であることから、存命中から「あれは、鶴山のねつ造だ。」など言われたようです。先生のメモには、久琢磨直伝、奥伝の形として杖対二刀のメモがあり、杖対太刀(基本型)の先の展開が示されていることから、先生が作った形ではないことがわかります。このようなことも、先生が『図解コーチ護身杖道』を著す遠因であったと思います。