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武道の極意・秘伝集27
武道の極意・秘伝集の最後は、宮本武蔵の『五輪書』水の巻から「兵法の身なりの事」を引用しています。本稿では意訳版で紹介します。
兵法の身なりの事
体の姿勢・構えについては、顔は、うつむかず・仰向かず・傾かず・歪ませず、目を動かさず、額(ひたい)に皺(しわ)を寄せず、眉の間に皺を寄せて、目の玉を動かないようにして、瞬きをしないような気持ちで、目を少し細めるようにする。おだやかな顔つきで、鼻すじをまっ直ぐにして、やや頤(おとがい)を前に出す心持ちである。首は、後ろの筋をまっ直ぐに保ち、うなじに力を入れて、肩から全身にかけて平均に力が出るようにする。両肩を下げ、背すじを真っ直ぐにし、尻を出さず、膝から足先までに力を入れて、腰が屈まないように腹を張る。くさびを締めるといって、脇差の鞘に腹を持たせ、帯が弛まないようせよという教えがある。すべて兵法では、平常の身(体のあり方)を兵法の身(戦いの体のあり方)とし、戦いの時も平常と同じ体のあり方で戦うこと、これが肝要である。よくよく研究すべきである。
補足説明:芸事一般に、普段のように体を使いなさい、と指導されます。ただ、この普段が問題で、何の訓練も受けていない自然な体の使い方が正しいとは限りません。大体において間違っています。本能的な反応・体の使い方は下位脳の統制下にあって中々修正できないのです。まずは、武蔵の指摘のように外見から修正し、これを維持できるよう稽古する必要があります。
今回で、武道の極意・秘伝集は完結です。