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大東流と無刀取り13

杖対太刀の基本組形を覚えると、入身転身後の制御動作(投げ・押さえ・固め)を稽古します。これが大東流の無刀取りです。
諸道具(杖・小太刀・鉄扇・懐剣)の活用から素手捌きへ、相手の太刀を制する多様な技法を学びます。ここで大事なことは、基本の運足や体捌きはすべて共通、異なるのは間合だけ、制御動作も基本的に共通、ただ使用する得物によってその特長を活かした捌き(懐剣術等)がある、というだけです。

鶴山先生は「大東流はシステム武術だ」と語りました。攻撃別・状況別(武器携帯か素手か等)に技を整理し覚えていく必要はなく、基本の体捌き・基本技(1~4か条の一般技、四方投・小手返・回転投・入身投の基礎技、合気投)を覚えれば、後は組合わせの問題である、という意味です。

江戸柳生系合気柔術をごく短期間で整理したワーキンググループの人たちは、このようなコンセプトのもとに技法群を構成していたのです。これを、バラバラに教わったのでは、覚える側は結構大変です。竹下ノートのようなことになります。ごく一部の達人たちが短期間で大東流をマスターできたのは、この秘密を見抜けたからでしょう。

以上のとおり、大東流と無刀取りの関係は深く、その誕生には新陰流兵法を抜きには考えられない、そして、そのエッセンスを引き継いだものである、と言えます。大東流合気柔術(江戸柳生系合気柔術)が他の古流諸武術と異なっているところ、ご理解いただけた、と信じています。(完)

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