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早い者勝ち・上手い者勝ちと漁夫の利
筆者が練習でよく使うことばです。相手と接触し一体化が図られた後は、技を掛けるのは早い者勝ちだし、掛け合ったら上手い者勝ちとなり、一体化した2人を第3者が軽く倒すことができることを漁夫の利と例えています。
稽古では、仕手・受手を決めて、受手は練習台ですから、じっと待っているお約束です。このとき仕手から受手への接触によって一体化が出来たのか、どうかの確認のために、受手側から技を掛けてみる、第3者が横から一体化した2人を倒してみるのです。約束違反ではありますが、一体化した状態とはどういうものか、体感してもらうとともに、また戒め(心得)として、知っておいて欲しいから試すのです。
ところで、武術の技は、受手が積極的受身をとることで、仕手に触れる前に倒れてしまうような例を除き、接触から始まります。接触時間の差に過ぎませんが、大きく当身系の捌きと一体化系の捌きに分けられます。
当身系の捌きでは相手に触れた瞬間、通力で倒すものです。鋭い触れ合気の技法がこれにあたります。
一方、一体化系の捌きは強固な一体化から相手がほとんど気づかない一体化までいろいろあり、それぞれの段階のものを体得する必要があります。この一体化感が大切で、これを合気というか、結びというか、つながったというか、表現はいろいろありますが、いずれも同じ現象を指しているものと思います。なお、この原理は剣術のように得物を介する技法でも共通です。