武田時宗・宗家独占インタビューについて2
ここから補足説明です。
補足説明:『武田惣角と大東流合気柔術(発行(株)合気ニュース)』によれば、同書の聞き手はスタンレー・プラニン合気ニュース編集長とあります。
さて、まず、質問からして何らかの意図を感じます。
「合気ニュース:鶴山という先生が『合気道』という本をずいぶん前に出しましたが、」
ここでいう『合気道』という本とは、『図解コーチ合気道』のことで昭和46年に初版本が発行されていますから「ずいぶん前」であることに間違いはありませんが、同書は内容の修正を加えながら再版を繰り返していました。筆者の手元にある最新のものは昭和60年1月発行です。その後、絶版になりました(先生没後、時期は確認できませんでした)が、インタビューの時点で大東流合気柔術の後継者が久琢磨であるとの系譜を示した「『合気道』という本」のことを合気道・大東流研究者であるスタンレー・プラニンが知らなかったとは、信じ難いことです。
「鶴山先生は、どの程度まで大東流にかかわっておられたのですか。」
仮に、初版本に基づく質問だとしても…初版本から先生が皆伝を受けるまでの『図解コーチ合気道』には随所に「大東流合気武道現宗家武田時宗先生からの許しがないので、(中略)一部を公開する」という既述があります。法的な問題生じかねない(この点先生は敏感です)ことから、先生が勝手に時宗の名前を使うとは考えられませんし、常識的にも時宗の了解を得ているとするのが相当です。「『合気道』という本」のことに触れるなら当然知っているハズです。にもかかわらず、冒頭引用した質問をするというのは、不可解なことなのです。