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畳と間合いの関係(上)

太刀の間合と畳に関する鶴山先生のメモです
 
小野派一刀流の秘伝は「一足一刀」である。敵対する相手との距離は「間合一間」、敵も動き、我も動く、そのチャンスは一間の間合いである。一瞬にしてこの間を掴み「一足一刀」で斬るのである。
徳川家光時代、参勤交代が制度化され、全国諸大名の参勤と大名妻子の江戸に常住が始まった。また、同じく家光時代には、武士以外の者が二尺を超える長さの太刀を携行することが禁じられたが、この停止令により、事実上武士の大刀も刃渡り二尺三寸五分(71cm)、小刀は同じく一尺六寸(48cm)が定寸となったのである。これを定める理由の一つとして、小野次郎衛門の小野派一刀流の形の制定が諸藩へのサンプルとなったことがあった。江戸城及び諸藩の江戸屋敷は柱間=1間(六尺)が廊下・建具等の基準であったから、これに基づくものであろう。畳が一般化し始めた当時、全国旅をすれば、旅館で畳に接する。武家屋敷を訪ねても同じである。今は、畳部屋のないマンションに住む人も多いが、日本人なら畳に座って安心するしくつろげる。この畳を日常的に意識することで間合いを体にしみこませたのである。

補足説明:間合いとは『合気道の秘密』では、次のように定義しています。
「間合い:我と相手の物理的・心理的距離距離(範囲)で各々が相手に対し攻撃を仕掛ける、技を仕掛けることができる有効な距離(範囲)のこと。徒手か(体格差)、武器か、また心理状況により異なる。(同書5頁)」

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