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大東流の三大技法(続)7

さて、話しは前後しますが、柔術系合気柔術の補足をしておきます。
武田惣角は当初、柔術を中心に指導していたと既述しました。その一方、お金持ちの旦那衆にも指導していました。有名なところでは、佐川幸義氏の父親である子之吉氏、堀川幸道の父親である泰宗氏がいます。堀川泰宗氏は、北海道のゴールドラッシュで成り上がったいわゆる砂金成金で駅亭旅館を経営していました。旦那衆向けの講習会はこのような旅館やそれに類する場所で行われました。旦那衆は、武道マニアの素人が中心でしたから「秘伝」と称する技を教えていました。最初から秘伝を教える武道があるのか?などと思うのは、武道のことがある程度判っている人だけでした。旦那衆からは、面倒くさい基礎鍛錬をすっ飛ばして、素人でも覚えやすくて手っ取り早く効く技を所望されたので「武田家代々に伝わる秘伝」と称して長者の術を教えたのです。これも合気術などと呼ばれ、体系的には柔術系合気柔術に含まれるものです。

このように大東流は、初伝・中伝・奥伝・秘伝、柔術・合気柔術・合気術、御信用之手などの言葉が錯綜していますから、部外者が聞いても訳が判らず、習い始めて内情が少し判るとさらに混乱する、全容を知らなければ整理できないよう(盗まれないよう)工夫されているのです。

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