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大東流の三大技法(続)2

さて、三大技法とは、地之巻=柔術、人之巻=合気柔術、天之巻=合気之術のことです。では、それぞれについて概説します。
 
大東流柔術
現在伝わる技法は118本ですが、本来は108本でした。武田惣角が10本付け加え118本となったのです。大東流柔術は、諸流派柔術の秘伝奥義を集めて再構成したものですから、日本に伝わる素手格闘術の技法、すなわち関節技・当身法・経絡理論等オーソドックスな技術は全部詰め込まれています。

ただ、秘伝奥儀ばかりを集めたがために、術理的な観点から技法を積み上げていくという完全な体系化は困難でした。技法的にみれば、それなりの工夫は見られるにせよ、言ってしまえば、平板な技の羅列に近い構成です。

そこで、柔術の構成者たちは、大東流をとりまとめるコンセプトの一つであった密教を使うこととしました。108の煩悩になぞらえたのです。なぜ、煩悩が108なのかは諸説あるようですが、鶴山先生伝では、天台密教(天台数学)を利用し、日吉大社境内外の108社に“ちなむ”とされています。なお、108社の内訳は、上七社・中七社・下七社と呼ばれる21社(山王21社)と摂末社87社です。ある一定の枠組みに組み込むことで、体系化がなされる(そのように見える)という方法を用いたのでした。

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