技法真髄19
7後襟
後襟を掴まれることは、後方に立った敵が刀を真っ向に振りかぶって切ってくるのと同じ理である。女なら髪を掴んで引倒すのと同じである。後襟を捕られたときは速やかに体をかわして、敵の心を取りひしぐために敵の面を打つか、また面を、水月を打って敵の心の窓を塞いでしまう。戦闘となると後から来た敵に速やかに転換して、速やかに敵の右横(或いは左横)を突くような姿勢に変ず。また敵の真後ろに転回して右後ろから敵を攻めるようにする。ことに腰の統一を図りこれを丈夫になすために練習をする。もし後捕りにおいて第一回の戦闘で面を打って、その手を敵に握られた場合は、速やかに左足を引いて、体を右に避けて切り下ろすか、また右足を敵の左に引いて敵を投げる。
以上の解説は万の技の一端にして、全技に対しその奥義たる兵道(戦道)及び技の詳しき解説は冊数に限りがあり時を得て実修の際、これを伝授す。(技法真髄 終り)
補足説明:後捕りの主なものについて、紹介すると・・・
両手取り・両手矢はず取り・片手取り(順手・綾手)・両ひじ取り・両肩取り・後襟取り・頭髪取り・帯取り・抱え・手首+襟取りなどです。基本の手捌きは朝顔を用い、手を上げ投げる・腕下を抜ける・回転し敵と向かい合い、捌きます。(続)