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合気柔術の技法(続)5

久琢磨が習った呼吸極めとは、植芝合気道では4か条と言っているもので、総伝11巻に掲載した呼吸力の技法の一つとして紹介されている。「呼吸にて内四か条に極め・・・」とあるが呼吸で極めるとは、息を吐くことで極めるというものである。仕手も受手も息を吐くのである、この場合、受手が自信を持って息を吐けば、仕手の呼吸に勝つことができる、という鍛錬法なのである。

補足説明
江戸柳生系合気柔術は、いわゆる陰の合気(抜力)から入ります。陰の合気で相手と一体化しただけでは技になりませんから、続けて柔術テクニックで制圧するか、さらに陽の合気を掛け制圧するか、という展開になるわけです。鶴山先生の説明は、この陽の合気の掛け合いのことを言っています。陽の合気はどこに充力するかで稽古法が異なりますが、ここでは互いに呼吸力、すなわち呼吸関連筋肉等の力を仕手受け共に使い鍛錬し合う、ということをいっています。合気が掛かっている状態は仕手受け共に同じですから、この場合は力(呼吸力)が強い方が勝つということを学ぶ稽古法ということになります。

そこで、呼吸力=呼吸関連筋肉等の力を使うとは、どういうことか?ということが気になります。鶴山先生からは極め固められる時、力を出すときは息を吐けと指導されました。前者は自分の力を抜き受ける方法で、後者は充力の方法です。同じ息を吐くのに真逆の効果が発生するわけです。

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