三蔵と大東流(上)
三蔵に関する鶴山先生のメモです。大東流の構成の秘密(口伝)を読み解いたものです。本稿で出てくる縦糸と横糸の話しは柔術の合宿の際、先生の説明にありました。ここからさらに密教との関連について説明があったのですが、当時は意識が足りず詳細は記憶に残っていません。残念なことです。
仏教は、推定年代として紀元前430年頃に釈迦が開いたものである。現在のところ、5,040余巻の経典があるとされている。この膨大な経典は、三蔵と呼ばれる経・律・論の三つに分けられる。
その一つ「経」は経蔵と呼ばれている。「経」とは、サンスクリット語のスートラの訳語で縦糸という意味をもっている。反物は縦糸と横糸から出来ているが、縦糸のことを経、横糸のことを緯という。例えば、地球儀に縦と横の線を引いて、経は何度、緯は何度というが、同義である。仏教が出来た頃は印刷技術がないので、貝多羅葉(ばいたらよう)と呼ばれる熱帯樹(パルミラヤシ)の大きな葉っぱに針のようなもので文字を書き、この葉っぱが乾くと文字が浮き上がってくる。この葉っぱを何十枚も束ねて、端に穴をあけそこに糸を通してつないでいたのである。ここには、釈迦の説法が書かれていた。