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九星術から見た大東流関係者の人間関係の相性2

大東流の誕生は、幕末期「公武合体」による全国統一武道として準備された。この中心となったのは、皇の代表者孝明天皇と、武の代表者松平容保(かたもり)であった。西郷頼母と田中土佐(玄清:はるきよ)の両家老は、容保に京都守護職への復職(再任)を孝明天皇に断るよう要請するため京都に出向いた。田中は容保の気持ちが断り切れないものとして了承したが、頼母は時期が悪い、これを引き受けることにより敵を作ることになるとの予測で、断るよう諫めたのである。この人間関係を九星術で診断するとどうなるのであろうか?

孝明天皇=七赤金星と松平容保=二黒土星
最高の相性。同僚としての付き合いでも、すべてにつけ気が合う。性格はまるっきり違っているが、例えば、一つのものの見方でも、互いに表と裏から見ているようなことになるので、よく話し合えばすぐに理解できるし、二人の判断を合わせれば、他の人間に真似ができないくらい正確に真相を掴んでいる、というようなことになる。孝明天皇は対外的な折衝や新しい分野の開拓に専念し、容保に後方の仕事を任せるのが賢明。地味な仕事の粘り強さとか、テキパキと片づけていく速さは、容保にかなわない。互いに得意な分野を受け持ち協力し合うことが、結果大きな仕事になり、互いにプラスとなる。両者の関係は無形の人生の財産のようなもの。
〈寸評〉以上のことは、歴史的事実そのままの性格であり、九星術で歴史を調べ直してみることも面白くなってきた。

松平容保=二黒土星と西郷頼母=九紫火星
容保にとって、頼母はただの友人の付き合いなら悪い相性ではない、一目置いて容保を立ててくれる。しかし、二人が主体となり独立して事業をする場合は、決して一筋縄ではゆきません。この関係は統計学的に裏目にでる方が非常に多い。初めは勢いが強くても、次第に衰えだし結局は大損害に終わる公算が強い、まず成功は望めない。これは、二人の性格とか努力の如何によるものよりも宿命的なものと考えるべきこと。容保からは頼母は口ばかり達者で実行力の乏しいと見える。アイデアは優秀のようでいて実現不可能なものが多い、使ってみても気苦労が多い関係である。
〈寸評〉容保は、孝明天皇から「容保の協力が得られなければ公武合体は不可能である。」とまで言われるほど信頼され、国家老の直言にもかかわらず、やむを得ず再度の激動期の京都守護職を引き受けた。ここで若かった殿様が国家老に対して主導権を握ったのである。九星術で述べられているそのままの関係になった。頼母が残した文献の数々、又歌などを読んでも頼母は行政官というよりも文学者であり「口ばかり達者で実行力の乏しい」と容保に映ったことであろうことは、歴史がこれを証明している。

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