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技法真髄20

(承前)技法真髄では、後襟取りを代表例としています。これは鎧組打ちの錣(しころ)取りが原形とされています。錣とは兜の一部で、後頭部から首をガードするスカートのような物です。

さて、後襟取りには鳳凰という体捌きの口伝があります。両手を羽のように開いて(伸ばして)捌くのですが、ここに秘密があります。

また、懐剣術の初伝技法に、左手で襟を取り右懐剣で鎖骨の間を刺しに来るという形があります。これは女性対女性の想定で、懐剣を用いた攻撃法とそれへの対応策を教えています。貴重な形だと思います。

そして、後取りの応用技法に、背後から短刀を突きつけられる形があります。現代風にアレンジすれば短刀がピストルになる、という想定です。口伝の体捌きを駆使し、敵と向かい合うことで、正面からの下段(中段)突きの技法に還元させ捌きます。

稽古では、最悪の状況、すなわち完全に後に回られて捕まるという設定ですが、これを習得した後は手首等掴ませないで捌く、掴みに来るところを捌く(掛手)という稽古段階に入ります。
 
技法真髄は、技術論というよりは精神論を説いたものですが、随所に重要な視点が示されており、それぞれの解釈で参考にするとよい、と思っています。(完)

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