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「兵法百首」から読み解く「新陰流兵法」13
いずれもの 相構えする 習いあり 知らぬは迷う 人心かな
敵のただ 相構えする 習いあり 知らぬは迷う ものにぞありける
補足説明:構え方についての教えです。敵の構えの如く我も構えて(相構え)良し、これが負けない位である。新陰流兵法には「相構え」から後太刀で勝つという勢法がたくさんあります。敵の打ちに遅れて打ち出し敵の太刀に平行に入る、せんだんの打ち(松葉)につながる技法です。
他流には 隙なきように 構えつつ さて打つときは 隙ぞありける
当流は 隙をいだして 懸かりつつ さて打つときは 隙をあらせず
補足説明:互いに隙無く、構え合ったら、膠着状態になりますから、新陰流兵法ではわざと隙を見せて誘う、これにつられて動く敵を制する。体術においても、突きや打ちの途中には必ず隙が生じます。これをどうとらえるか、が稽古の課題になります。言うは易く行うは難し、の一例です。
敵味方二心持たざる事の教えです。例えば、一方を明け(さらして)、一方を塞ぎ(守り)ながら敵に懸かる時は敵の心が二つにならないように、そのままそこを打たせるべきである。また、我も塞いだところは気にせず、明き身の方だけに注力せよ、との教えです。