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江戸柳生系合気柔術は上級武士のための技である(上)

将来トップになる者のための英才教育であった江戸柳生系合気柔術についての鶴山先生のメモです。

半座捌に次のような基本技がある。
受手:仕手の左袖を掴む
受手:左手を時計回りに仕手のひじに掛け、
          ①下に落とす、②前方に投げる、②右方向に投げる、
   左足を進め四方投で倒す・・・(以下略)
②と③はいわゆる合気投だが、ポイントは左腕を伸ばすところにある。両ひざ捌きで腰は上下させるだけで投げなくてはならない。鞍上人無く、鞍下馬無しすなわち、人馬一体の境地をめざすのである。
馬上武士のための鍛錬法なのである。これは、柔術の様に第一線で戦う武士の鍛錬用ではない。大東流が秘伝といっても、強いとか弱いとかの問題とは次元が違うものなのである。現代武道家は、そこが理解に苦しむところである。世襲制を前提とした上級武士(予備軍)のための技法なのである。上級武士たるもの何でも知っていなければならず、武術も乗馬もこなさなければならない。城内で密かに畳の上の訓練を重ね、鷹狩りの随行などによって、実際の騎乗の機会を作ったのである。半座捌きによる多人数掛けや多人数固めは上級管理者武術の心得にその真の目的がある。なぜか・・・

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