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合気上げ・合気下げと合気柔術2

仮に手を掴まれたとして、これを上げる方法のすべてが合気上げではありません。単なる揚げ手と合気を使った揚げ手の2通りあるからです。詳解すれば、単なる揚げ手は柔術テクニックであり、合気を使った揚げ手は(合気+柔術)テクニックなのです。つまり合気が入っていない揚げ手は本来合気上げとは呼べないもの、ということです。合気下げも同様です。
じゃあ、何が違うんだ? と突っ込まれそうですが…
そこで、合気柔術とは何か、ということが重要になります。大東流の皆伝の口伝では、大東流には三大技法すなわち柔術・合気柔術・合気之術があるということでした。鶴山先生がこのことを初公開した「護身杖道」では、三大技法の制度的側面を強調して説明していましたが、術理も明確に区分されています。このことを理解しないで、合気柔術と称する技をやっても曖昧なものになりかねません。
では、まず柔術とはどういう技術なのか、について説明します。
柔術は、基本的に自立した技法、すなわち相手との関係性を問題にしない技法です。
柔術を習得する目的は、ヒトの構造的弱点と強点(造語です)を知ること、関節・筋肉(腱靱帯を含む)の使い方・攻め方を知ること、軸と重心を意識しその操作法を学ぶこと、②と③を活用した力の出し方(気合)を学ぶこと、にあります。ここには接近戦における体術の基礎がすべて含まれていることから、必修技法とされているのです。そして同じ土俵での正々堂々の形稽古を通じて力の限界を知るのです。

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