大東流柔術講習会9
私の手元に「笠間合宿 大東流合気柔術第1ヶ条30手法 大塚師範へ伝承の記録」と題されたノートがあります。これは昭和43年10月吉日付けで記録(実技指導は6月)された鶴山先生の写真付きメモです。このころの先生は、武田時宗先生や久琢磨先生などから指導を受けていた時代ですが、すでに久先生からは総伝11巻を伝授されており、翌年には教授代理を委嘱される、というレベルにありました。
しかしながら、この時代、久先生からの皆伝の口伝などご存知ありませんから、タイトルにあるように柔術と合気柔術の名称の使い分けがあいまいだったようです。
では、柔術第1か条の説明(注記)の一部を紹介しましょう。
居捕1本目一本捕 本来は、押し倒した後、背中に馬乗りとなり右ひざで右腕を押さえ、左足は左首の方に出して敵を制し、左手で兜のひさしに手を掛け、ヨロイ通しを逆手に握り右首をかき斬るのである。打ってきたときも、左手でひじの筋を掴み、ヨロイ通しで脇の下を突き刺すのが原形である。これを殿中形式に改めたものが、一本捕を始めとする技である。なお、素肌の場合は、左手は髷(まげ)を掴んで引き上げる。
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