武田時宗・宗家独占インタビューについて8
「武田惣角を追って」(5)鶴山晃、会報31号(武田時宗・宗家独占インタビューについて7)で、後日公表とされた『「大東流全集」(三部作)の補講編』(会報33号 昭和42年)を引用します。なお、引用中の( )かっこ書きは、筆者が補足したものです。
大東流全集 第一部 -大東流中興の祖-
武田惣角見聞記
大東流合気武道宗家 武田時宗(当時51歳)
起稿にあたって
私(惣角56歳の時の子)にとって武田惣角は、少年時代から青年時代までを父として。また、武道の師父として多くの思い出が蓄積されていて、いざ話しを進めようとすると、その選択に迷うばかりである。全くどの逸話から先に話してよいものか、また、どんな客観的な立場で書き進めてよいものやら判らなくなる。
惣角は万延(元(1860)年生まれ)から文久・元治・慶応・明治・大正・昭和の初期(昭和18(1943)年没)までの激動の時代の中で、格闘技一筋に生き抜いてきた男の記録としては、遠い戦国時代は別としても、明治以降の日本人としては記録的なものと言わねばなるまい。
ところで、その数々の武勇伝・武者修行を含めた逸話と常識外の日常生活をこれから語るに当たって、このめっぽう強かった合気術の達人武田惣角が、なぜ一般に知られた存在でなかったのか、ということも振り返って考えてみる必要があろう。(続)
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