「兵法百首」から読み解く「新陰流兵法」21
水月に そのまま勝ちを 付る事 忘れるべからず 忘れるべからず
補足説明:水月とは、月が水に影を映すという例えで、具体的には間合のことです。身長差によって異なります。間合に入ったならば先を取って勝つべし。間合の見積もりの仕方については、目で確認(草)、観で確認(行)、事前に準備しておく(十里外)との稽古階梯が示されています。
また、影とは、間合の外で敵の構えにより我が構え方を決めることです。敵が上段なら我も上段、中段なら中段、下段なら下段という次第。もし下段よりも低い構えを取ってきたら我は上段から仕掛けて勝てと明確に指示しています。
敵の太刀 片手に打たば 目付をば 一尺八寸を 見るべし
補足説明:片手太刀は、軽い牽制や輪の太刀などで用います。太刀先は早いので見えません、したがって柄の動きを見るべし、との教えです。