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#1 武田 綾香の花が咲くまでの道(四国代表 四国大学 3年)

①カコ


大学1年生の夏、練習中に足を骨折してしまい手術を受けました。
大きな怪我が初めてだったので、何度自分の足を見ても現実を受け入れることができませんでした。
真っ暗で先が見えない入院生活は、毎日のように泣いていました。

この時期が今までの人生で1番苦しかったし、辛かったです。
正直、「誰とも会いたくない、話もしたくない」とさえ思っていました。
お見舞いに来てくれるチームメイトの前で、元気を装い笑顔で振舞ってる自分がいました。
チームメイトがかけてくれる優しい言葉も、「自分の気持ちが分かるはずない」と素直に受け止められずにいました。
言葉の全てが嫌味に思えてしまい、そう思っている自分が嫌でした。

いつもはプラス思考で、負けず嫌いで、納得するまで努力し続ける。
それが自分の長所なのに、この時はどうしても前を向くことが出来ず、孤独に戦いながらも、逃げ出したいと心の底から思っていました。
リハビリ中も自分の足なのに上手く動かすことができず、悔しくて弱音を吐いたり、すぐに諦めたりしていました。

怪我をしてからの約2ヶ月間は、前を向くことが出来ず、本当の自分を見失っていました。

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②スイッチ


やっと松葉杖が取れ自分の力で歩けるようになった頃、スポーツ健康館に行き、筋トレをするようになりました。
怪我は自分との戦いで、葛藤する毎日でした。
苦しいリハビリ生活で私が頑張るきっかけになったのは、
監督からの「期待しているぞ」という言葉でした。
この日から私は、「絶対にインカレにでる」という目標ができ、少しだけ先が明るくなった気がしました。
練習に目を向けることなく、グランドの隅でただひたすら自分と戦い、前を向いて走り続けました。私の頑張りをいつも見守ってくれる監督と、認めてくれるチームメイトが私の頑張る源でした。
その中でも、ずっと一緒に切磋琢磨し合った同じポディションの先輩は、ずっとそばで気にかけてくれ鼓舞してくれつつ、私が下を向いた時には喝も入れてくれた私にとって大きな存在でした。
そして入院生活の時、仕事を投げ出し5時間もかけて徳島に来てくれた母に、インカレのピッチで走り回る姿を見せたい一心でリハビリに励みました。

最初の頃は、ふとした時に見える手術の傷跡を見るだけで、その時のことを鮮明に思い出し胸が苦しかったけど、2年経った今では頑張った証だと思うことができます。

③ミライ


私は、たくさんの方々に支えられながらこの過酷な日々を乗り越えることができました。
そんな方々にプレーで恩返しがしたいという気持ちから、今の私のがむしゃらで貪欲にゴールに向かうプレースタイルができたのかなと思います。

サッカーから1度離れたことで、周りへの感謝がいっそう強くなったように感じます。怪我は私を強くしてくれたし、成長させてくれました。
この経験があったから今の私があるのだと思っています。

今のところ、大切な試合でなかなか良い結果を残せずにいます。今回のインカレこそは、自分を支えてくれた人や、今まで関わってきた指導者、チームメイト、全ての方々に「得点という形で恩返しがしたい」という思いです。

また大学卒業後は、サッカーを続けるか悩んでいます。
だからこそ、サッカーに打ち込める今を大切にしていきたいです。
私は、決して技術が優れているわけではありません。

インカレのピッチで気迫のあるプレーや、ゴールへの執念、がむしゃらに貪欲に走る姿で、誰かに元気や勇気を少しでも与えられるように頑張ります。

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