時間の感覚
年末年始や盆休みなどの長期休暇明けは、二日間ほどの勤務であっても一週間働いたように感じる。毎回このように感じるので、時間の感覚はとても不思議だ。いったい何がこの違いを生み出しているのだろう?
普段の勤務は始業・終業時刻を含め、一週間の予定もある程度決まっている。イレギュラーな緊急対応が生じる時もあるが、概ね想定の範囲内だ。一方、休暇中は旅行や趣味などを計画して過ごす時もあれば、家でゴロゴロしたり近所で済ませる時もある。いずれも休暇前に想定していたものではあるが、普段とは異なる過ごし方でとても新鮮だ。
旅行などで初めて訪れるような場所は、最寄り駅から遠く感じることがある。たとえ近所の普段利用しないスーパーであったとしても、初めて行く時は案外遠く感じるものだ。しかしながら、不思議なことに帰路はとても早く感じる。
おそらく経験値の差が時間感覚に作用していると思われる。初めての場所は慣れていないこともあり、道中の方向を含め、いろいろと思案、意識している時間が長いと考えられる。一方、通い慣れた場所では、無意識に到着することもできるし、その場所での勝手もよく知っている。
このような経験の有無が時間感覚に影響をもたらしていると思われ、数日程度の休暇、すなわち経験値の低い日が続くことにより時間を捉える感覚が長くなってしまっている。このため休暇後の経験値の豊富な勤務に時間の感覚が長くなった状態で突入するので、わずか二日程度でも一週間の気分になるのだろう。休みが一日だけの時は時間感覚がズレる前に勤務日になるため、違和感を感じることはほとんどない。