対になる視点
世の中の様々なことは、基本的に対になっていると感じることが多い。例えば外食では、好ましい順に「安いのに美味しい」→「高いけど美味しい」→「安いけど美味しくない」→「高いのに美味しくない」になると思われる。ここでは、価格の「安い」と「高い」、味の「美味しい」と「美味しくない」が対になり、合計4パターンが存在する。
次に、情報伝達の手段は、インターネットなどでのやりとりが一般的になった。昔は紙媒体が主であり、やりとりに郵送などの時間がかかるし、同時送付も「煩雑」である。もちろんインターネットでは即座かつ同時送信が「容易」である。
一方で、セキュリティーの観点からは、紙媒体は情報拡散に時間がかかり、ある程度限定的であるので「安全(リスク低)」であり、インターネットは無限に拡散可能であるため「危険(リスク高)」である。このように物事は基本的に対をなす視点が存在し、一方が好ましく、他方が好ましくない状態であることが一般的である。
困っている人を見かけた時に何か手伝えることがないかを考えて手伝うことを申し出ることがある。手伝う側だけの視点で考えて行動すると、案外うまくいかないことも実は多い。物事は対になっているので、手伝ってもらった側の視点から見た場合のことを想像し、真に必要とされるサポートなのかどうか、対となる視点・立場から客観的に考える必要がある。
大学で教育研究に携わっているが、教える側の視点だけでは学生にうまく伝わらない。教えられている学生側の視点から見た場合に、必要としているレベル、内容を踏まえて教えるようにしなければ教育効果は高くならない。