【アニマルカードゲーム】はじめるにあたって勘違いしやすいルールの解説【ACG】


 アニマルカードゲーム(略称ACG)の一般販売も近づいてきました。
 今まではクラファンを支援した人しかACGを遊べなかったけど、これからは新規でACGを始めた人も存分に遊べるようになるのは喜ばしい限りですね。
 第一弾デッキはそれひとつでちゃんとしたデッキを構築できるし、デッキに収録されているカードが全種類4枚ずつ入っているのでお手軽に始めやすいカードゲームです。
 第一弾なのでカード種類が少ないですが、無駄なカードが無いので色んな種類のデッキが組めるし、使えるカード自体はクラファンを支援した人と同じ(※一部のPR除く)なので今から始めるぶんには差はない。
 クラファンを支援してない・し忘れた・クラファン終わってから興味が出てきた人達にも、これからACGを始めるのはオススメ!

 ですがこのACG、令和に開発されたTCGにしては細部のルールがはじめから結構ややこしい。
 ルールが未熟だったり曖昧だからそうなっているわけではないので(むしろ第一弾しかリリースされてないTCGにしてはかなりルールは明文化されてる)、細かく噛み砕けば勘違いするようなことは滅多におきません。
 それでも遊んでいて「あれ?これどういう処理だったっけ?」とか、「ここは他のカードゲームよりなんか違うぞ?」と感じる部分はかなり多いと思います。
 なのでこの記事ではそれらの疑問や違和感を払拭できるように、遊び方ガイドや公式動画だけではカバーしきれていないルールや他のカードゲームをプレイしているからこそ偏見で勘違いしそうな部分をいくつかピックアップして解説します。
 ※ルールの詳細は公式サイトの遊び方ガイドと総合ルール(PDF)を参考にしています。
 まず前提として公式サイトの遊び方ガイド公式Youtubeチャンネルの「動画でわかる!ACGのルール!!」シリーズを見て、大まかなゲームの流れは理解した状態でこの記事の続きを読んでください
 この記事による解説はそれらを読んだり見てからACGのルールをざっくりと理解した人向けとなっています。

 今までカードゲームをプレイしたことがない方は、まずこれらのルール解説動画や対戦動画を見て基本的な流れを掴んでから、もう一度この記事を読んでみてください。
 TCG経験者は対戦の流れを覚えたらほぼ大丈夫だと思いますが、今までプレイしたTCGによっては全く未知の領域のルールがあると思います。それらに対峙したときの疑問の解決を書いたので、該当部分を読んで公式のルールPDFも確認してみてください。
 MtG経験者の方はほとんど疑問は無いと思います。ていうか元になったルールや処理ほとんどMtGと一緒だし。MtG自体はやったことなくても、似たようなルールのTCGをプレイした人も大丈夫。ただし、一部のルール(特に土地と戦闘面)がMtGと全く違うのでその部分の解説だけは絶対に読むことを推奨します
 遊戯王経験者の方。MtGを経験した事があればルールの勘違いは無いと思いますが……遊戯王だけしかやったことがない人は特に注意。ルールの処理が全然違うので、すべての解説を読んで勘違いを起こさないようにしてください(特に遊戯王における”チェーンブロック”と同義の”パイル”の処理)。


領地と戦場

 ACGにおいて、領地ゾーンと戦場ゾーンは明確に別の領域として扱います
 基本的に領地に出るのは領土カードのみ、戦場に出るのは動物・縄張り・道具(とそれらを模したトークン)カードです。
 領地にあるカードは”領土”、戦場にあるカードは”存在”として扱います。
なので「戦場にある存在1つを対象として、それを破壊する」といったカードでは、領地にある領土を対象に取ることはできません
 MtGにおける「土地以外のパーマネント」が「存在」と考えるとわかりやすいと思います。

コストの支払い

 ACGにおけるコストの支払いは、
  1.カードを【プレイ】するならば、領土条件(カードの最上部にあるマーク)を満たす(領土条件の達成)。
  2.カードを【プレイ】するならば、カードに書かれたコスト(カードの左上に書かれた数字)を領地の領土から支払う(コストの支払い)。
  3.追加の発動コスト(カードテキストに[]で囲まれた部分に書いてあるところ。効果の対象を取るタイミングもこの部分)の処理を行う(発動コストの処理)。
 これらの手順を満たして行うことになっています(※厳密にはカードによっては追加の手順を行う場合もありますが例外なので割愛)。
 このとき勘違いしやすいのが領土条件の達成コストの支払い

 領土条件の達成は、領地にある領土だけでなく、戦場にある《平野》《山岳》《水生》《森林》《夜》を持つ存在も条件のひとつとして数えられます
  例A:領地に《平野》を持つ領土が2枚・戦場に《平野》を持つ「一時的な縄張り」が1枚あれば、《平野》が合計3枚あるので《平野》条件3が必要な「教示する母獅子」の領土条件を達成する。
  例B:領地に《水生》を持つ領土が1枚・《森林》を持つ領土が1枚・戦場に《水生》を得た「妖狐の巻物」が1枚あれば、《水生》条件2・種別のない条件1が必要な「ペンギンフォース」の領土条件を達成する。
 ただし「沼地」のような2つの領土特性を持つカードは条件の達成に用いる場合、1枚につきどちらか1つの条件しか満たすことができません
  例C:領地にあるのが《山岳》《森林》を持つ「山林」1枚・《水生》を持つ「水生」1枚だけの場合、《山岳》《森林》どちらか1つしか条件を満たせないので両方1つずつ必要とする「高飛車な母鷲」の条件を達成できない。

 コストの支払いは、領地にある領土からしか支払えません
  例D:「一時的な縄張り」は《平野》を持ちますが、条件達成のひとつとして数えられるだけであって、コストの支払いには使用できない。
 また、コストの支払いに色の規定はありません。領土条件さえ満たしていれば、コストの支払いが可能な限り同じ色のカードを何度も使うことができます
  例E:領地にウェイク状態の「森林」「水生」が1枚ずつある状態で、同一ターン内に《森林》条件1つの「猿知恵」を2枚プレイしたり、代わりに《水生》条件1つの「渦巻くキリン」を2枚プレイできる。
 また、ひとつの行動に対するコストの支払いは一括で行うので、足りないコストをその瞬間にムーブさせた領土をウェイクして追加で支払うといったこともできません。
 例F:領地にウェイク状態の領土が2枚しかない状態で、3コストのカードをプレイするために、領土2つをムーブして2コスト分捻出、「命の実」で領土1つをウェイクしてさらに1コスト分捻出、合計3コストを支払うといったことはできない(※2コストのカードをプレイしてから、領土をウェイクして1コストのカードをプレイするといった別々の行動なら可能)。
 MtGをやっていると勘違いしやすい部分のひとつです(自戒)。

起動効果の発動条件と発動タイミング

 コストの支払いにおいて「カードを【プレイ】するならば、」と記述したことで察しがついているかもしれませんが、【起動】効果の発動には領土条件の達成とカードに書かれたコストの支払いは必要ありません
 「【起動(◯◯)】[~を支払い、~して発動する。]」といったテキストのうち、[]内の発動コストの処理だけを行えば、基本的にはどんな起動効果も発動することができます。
  例:「貴族象」は【プレイ】するためには1コストと森林条件2が必要だが、【起動】効果を発動するだけなら[あなたの手札のカード1枚とこれを捨てて発動する。]のみを行えば、領地に《森林》がなくとも1コスト支払えなくとも発動できる。
 また、【起動】効果は基本的に特技が使用できるタイミングならいつでも発動することができます(詳しくは後述の特技タイミング)。
 現状、気をつけないといけないのは「鷲の卵」の起動効果が相手ターンには発動できないぐらい(※自分のターンなら「鷲の卵」の起動効果は特技タイミングでも発動できる)。

場面タイミングと特技タイミング

 MtGや遊戯王のようなクイックスペルがあるカードゲームを通っていない人が一番躓きやすいのがコレだと思います。
 場面タイミングで可能なのが、動物/縄張り/道具/場面カードのプレイ+特技タイミングで可能な行動。
 特技タイミングで可能なのが、特技カード・《敏捷》を持つカードのプレイ+起動能力の発動。
 公式の説明では「自身がターンプレイヤーとなる狩りフェイズであり」「自身が優先権を持ち」「パイルが空であり」「戦闘中でない」状況が"場面タイミング”、「自身が優先権を持つ」状況を"特技タイミング”としてありますが、わかりづらいですよね?
 どのタイミングでどのカードがプレイ可能かも混乱しやすい。なので逆にカードの種別で分けて、ざっくり理解しましょう。
  動物/縄張り/道具/場面カード(コスト部分が丸で囲まれているカード)・・・自分のターンの狩りフェイズ(他TCG用語ならメインフェイズ)で、パイルが空の時(他にカードのプレイや効果の発動が行われていない)に【プレイ】できる(※戦闘中を除く)。
  特技カード/《敏捷》を持つカード(コスト部分が六角形で囲まれているカード)、【起動】効果・・・自分が優先権を持ってるならいつでも【プレイ】と発動ができる(相手ターン中でも準備フェイズでも戦闘中でも日没フェイズでも)。
 このように覚えておけば、クイックスペルが存在しないカードゲーム出身の方でもある程度覚えやすいと思います。優先権については後述。

優先権

 自分がカードのプレイ、起動効果の発動を優先的に行えるタイミングです。名称そのまんまですね。
 基本的に「自分のターン」且つ「パイルが空」の時、自分が最優先でコレを持っている状態となります。
 次に「自分がカードのプレイ、起動効果の発動」を行ったとき、連続して優先権を持ちます。
 そしてそれらの行動を終えて、自分が優先権を放棄したときに相手が優先権を持つことになります。お互いに優先権を放棄しない限り、この繰り返し。
 他にも誘発効果が発生したときはターンプレイヤー側から優先権を持つ、などもありますが、基本的に「そのターンのプレイヤー(ターンプレイヤー)が優先権を持ち、そのターンプレイヤーが優先権を放棄したあと、そうじゃないプレイヤー(非ターンプレイヤー)が優先権を持つ」ことになります。
 前述のタイミングの話と合わせると「場面タイミングがプレイできるのは、パイルが空の状態で、狩りフェイズで、戦闘中でなくて、優先権を持つターンプレイヤーのみ」「特技タイミングがプレイできるのは、優先権を持つターンプレイヤーor非ターンプレイヤーから」になります。
 また、遊戯王経験者が一番勘違いしやすいのもココ。
 スペルスピード2のカードは、メインフェイズ中だったら相手がカードプレイしたり起動/誘発効果が発生するか、戦闘宣言するか、フェイズ移行しようとしない限り発動できない。
 さらに、優先権はカードのプレイ1つごとに移行するのではなく、優先権を持ってる側が連続してプレイするかどうかを終えてから持ってなかった側へと移行する
 気をつけましょう(自戒)。

戦闘

 MtG経験者ならACGのルールは大方すぐに正しく理解できると思いますが、唯一MtGと大きく違っているのが戦闘。またバトルフェイズが独立してるカードゲームとも違うのでかなり独特な部分です。
 特に勘違いしやすく、ゲーム中頻繁に発生する状況は以下です。
  1.戦闘宣言は狩りフェイズに内包されている。
  2.戦闘宣言は1ターンの間に何度も行うことができる。
  3.戦闘宣言で攻撃動物をムーブする前に戦闘準備ステップがあるので、攻撃動物を指定する前に、相手は優先権を行使して特技タイミングの行動ができる。
  4.防御指定ステップで防御動物をムーブしたあとに防御動物が0体になった場合、防御側はもう一度防御する動物を選ぶか直接攻撃を受けるか選ぶ。
  5.集団攻撃は、1体の動物の防御で全て止められる。
  6.戦闘ダメージの割り振りをする際は、優先権が入る余地がない(戦闘ダメージを与え終わった直後なら優先権がある)。
 1.~3.は公式の遊び方ガイドを読めばすぐ理解できると思います。6.もダメージ決定を確定したらすぐに適用すると考えればわかりやすい。
 問題は4.と5.。これは直感的にわかりづらい。

 まず「4.防御指定した動物が0体になったとき」の処理。
 例えば攻撃動物Aの攻撃を、防御指定ステップで防御動物Aが防御すると宣言されました。
 その後、防御指定ステップ内で防御動物Aを「帰巣本能」で手札に戻して戦場から離れさせた。防御に指定された動物が0体になったが、このときに攻撃は立ち消えるか?
 答え。立ち消えない。防御指定された動物が0体になった場合、もう一度、防御側が防御動物Bを選び直して再度防御指定ステップの最初からやり直す、もしくは防御せずに攻撃動物Aの攻撃をライフで受ける
 結構な特殊事例ですが、要するにブロックのタイミングでサクリファイスエスケープしながら攻撃を無効化することはできないということ
 2体以上の動物で防御して、それらのうち1体だけが残った場合は防御指定のやり直しは発生しないことも注意。あくまで防御に指定された動物が0体になったときだけ。

 次に「5.集団攻撃は1体の動物の防御で全て止められる」について。
 これはMtGの戦闘を参考にACGをプレイしてる人だと特に陥りやすい落とし穴の部分です
 MtGにおいては複数体の攻撃は、攻撃クリーチャー1体につき防御クリーチャー1体以上でブロックしないと、ブロックされていないクリーチャーの攻撃は素通りしますよね?
 ACGでは違います。複数体の動物による攻撃、集団攻撃はその集まりをまとめて1つの攻撃とみなします
 なので例え100体でまとめて攻撃しても、1体のブロッカーで全て受け止められてしまいます
 例えば、自分の場に7/1のライオン動物トークン7体、相手の場に0/1のワニ動物トークン4体がいるとします。このとき、集団攻撃した場合と個別に単独攻撃した場合の違いが以下の例となります。
  例A:7/1のライオン動物トークン7体で一斉に攻撃宣言するとATK7×7体の”集団攻撃”となり、0/1のワニ動物トークン1体だけで防御されると、まとめて49点がワニ動物トークン1体全てに割り振られて、相手プレイヤーにはダメージは一切通らない。相手の場には残り3体のワニ動物トークンが残ったまま。
  例B:7/1のライオン動物トークン1体で攻撃宣言すると、ATK7×1体の"単独攻撃”となり、0/1のワニ動物トークン1体で防御されると、7点がワニ動物トークン1体に割り振られて、そのトークンは破壊、相手プレイヤーにダメージは入らない。続けて、2体目のライオン動物トークン1体で攻撃宣言、同じ様な戦闘をしてから3体目4体目…と攻撃すると5体目~7体目で攻撃する頃にはワニ動物トークンは全滅してるので、これらの攻撃が直接攻撃になる。
 基本的には単独攻撃していったほうが良い、ということですね。
 また、これは余談ですが《有翼》《突破》など戦闘に関するキーワード能力を持っている動物を含めて集団攻撃した場合、集団攻撃している全ての動物がそのキーワード能力を持っていなければ、それらの能力はなくなってしまいます
 「見習い小象」「戦傷の勇者」で集団攻撃するときや、「猟犬」「火の鳥」で集団攻撃するときは注意しましょう。

夜状態(裏側の状態)

 ACGで最も特殊なルールが"夜状態”。
 戦場・領地にあるカードが裏側になって置かれている状態のことを差します。
 夜状態は「表面のカードの全ての情報を失い、「夜」というカード名を持つ・コスト0の・《夜》を持つ・縄張り/領土カード」になっています(戦場では縄張り・領地では領土)。
 《夜》は「夜条件のひとつ」として数えられるので、戦場に存在する夜状態のカードがあれば、領地に夜がなくても夜条件を持つカードをプレイすることができます(ただし戦場の「夜」をムーブしてコストの支払いをすることはできない)。
 これは「コストの支払い」を参考にしてもらえれば、《平野》や《水生》の部分が《夜》になっただけだと理解しやすいと思います。
 これだけならまだ簡単なんですが、この”夜状態”にはこれ以外にもややこしいルールがいくつかあります。

 それは「夜状態のカードは、そのカードがそれまでに得た能力や置かれたカウンターはそのまま引き継ぐ」というルール。
  例A:-1/-1カウンターが置かれた「戦傷の勇者」が夜状態になっても、1/-1カウンターは置かれたまま。
  例B:「足跡の発火」の効果を自身の能力で得た「深淵の化け鷲」が夜状態になっても、「足跡の発火」の能力は得たまま。
 また、効果の対象となったカードがその効果解決前に夜状態になった場合、効果解決時に正しい対象なら効果を受けて、正しくない対象になったら効果が不発となります
  例C:「猟犬」に対して「処刑」をプレイし、それに対応して「夜の使者」で「猟犬」を夜にした場合、「処刑」の対象とした"動物”が"縄張り”になったので、除外されない。
  例D:「猟犬」に対して「象の踏みつけ」をプレイし、それに対応して「夜の使者」で「猟犬」を夜にした場合、「象の踏みつけ」は"存在”を対象としているので、夜状態のカードも"存在”なので効果解決時に破壊される。

 それとトークンが夜状態になった場合、そのトークンは消滅します
 「夜の使者」でトークン対象に取って消すみたいなプレイも可能なので覚えておくとたまに得をする。 

パイルの解決

 MtG経験者ならすんなり飲み込める部分ですが、プレイしたことなかった場合、理解するのがかなり難しいのがパイルの解決。
 遊戯王経験者はその感覚をそのままACGに適用させると、大きく誤解をしかねない危険なルールなので、しっっっっっっっかり読んで理解してください
 基本的なパイルの解決については公式動画でも解説されているので、それを見てもらえれば理解できると思います。
 そこではこのようなチュートリアルが展開されていました。

  1.プレイヤーAが「火球」を【プレイ】(パイル1)。優先権を放棄。
  2.プレイヤーBが「氷の反射」を「火球」を対象に【プレイ】(パイル2)。優先権を放棄。
  3.プレイヤーAも優先権を放棄。お互いに優先権が放棄されたのでパイルの解決。
  4.逆順処理によりパイル2「氷の反射」から解決。「火球」を妨害(パイルから取り除いて墓地に送る)。
  5.パイル1「火球」の解決。妨害されてパイルから取り除かれているので、効果は不発。

 ではこれに加えて、プレイヤーAも「環境不適正」でプレイヤーBの「氷の反射」を妨害しようとしたらどうなるでしょうか?答えは3.から分岐してこうなります(以下優先権放棄などは割愛)。

  3.プレイヤーAが「環境不適正」を「氷の反射」を対象に【プレイ】(パイル3)。
  4.逆順処理によりパイル3「環境不適正」から解決。「氷の反射」を妨害。
  5.パイル2「氷の反射」の解決。妨害されてパイルから取り除かれているので、効果は不発。
  6.パイル1「火球」の解決。妨害しようとした「氷の反射」は妨害されているので、効果が正しく解決。

 このようになります。パイルの応酬はこれの繰り返しです。
 そしてここからが重要。特に遊戯王経験者は目に焼き付けてください。
 では5.の段階まで解決し、残りは「火球」の解決だけ…となったとき、さらに追加でプレイヤーBは妨害を持つ特技カードである「ペンギンフォース」のプレイは可能でしょうか?
 答えは、可能です。その場合、6.から分岐してこうなります。

  6.プレイヤーBが「ペンギンフォース」を「火球」を対象に【プレイ】(新たなパイル2)。
  7.パイル2「ペンギンフォース」の解決。「火球」を妨害。
  8.パイル1「火球」の解決。妨害されてパイルから取り除かれているので、効果は不発。

 そう、遊戯王とは違ってパイルの逆順処理による解決が始まっても、パイルがひとつ解決されるごとに新たな優先権が発生し、そこで特技タイミングのプレイや起動効果の発動が可能なんです
 遊戯王経験者は特に気をつけましょう。MtG経験者は大丈夫だと思います。
 この「パイルがひとつ解決される度に、新たな優先権が発生する」というのはもちろん誘発効果に対しても有効です。
 例えば「今生の獅子」はデッキから墓地に置かれると誘発する効果があります。この誘発効果の発生は、墓地に置かれてその時のパイルが全て解決してからではなくて、墓地に置かれた瞬間、その時すでに積まれているパイルの解決を行う前に、その上に乗せます。その後、優先権がターンプレイヤー側に発生します。
  例:「永久に咲く獅子の時代(以下時代)」が存在している状態で「教示する母獅子(以下母獅子)」が場に出た、このとき「パイル1.時代」「パイル2.母獅子」の順で積み、母獅子の解決時に「今生の獅子(以下今生)」が墓地に送られると、
  パイル1.時代 パイル2.母獅子 母獅子解決、今生が墓地へ
  →パイル1時代の解決が入る前に パイル2.今生の誘発 が発生
  という風にパイルが置かれて、ターンプレイヤーが優先権を得る。その後このパイルを処理すると、今生のデッキトップを公開してそれを手札に加えるかデッキの下に送る効果を解決してから、時代のデッキの上から2枚見て動物カード1枚を墓地に送る効果が解決される。

 ちなみにこの「パイルが処理される度に新しい優先権が発生し、そこで新たなカードのプレイができる」を公式の対戦動画で実践してるのがこちらになります。
 (「ゾウさんパワー」に対して「黄昏の神隠し」で「夜の使者」を出し直して「見習い小象」を夜にしようとしたことに対して「妖狐の巻物」に《平野》を与えて「威圧」で夜使者の誘発効果を妨害しようとしてそれに対して「環境不適正」で妨害)


 ACGをプレイする際、特に勘違いしやすかったりわかりづらいルールの解説は以上になります。
 再三言いますが、この記事はあくまで公式の遊び方ガイドやルールや動画を見て理解できなかった部分を補足するためのものです。
 疑問が生じたらまずは公式のルールをじっくり確認するのを優先してください。

 それでは最後に「ACG始めたいけどカードねーよ!」「ACGクラファン支援したけど対戦できる相手も場所もねーよ!」となってる人への宣伝。
ACGの一般販売はドラゴンスターとイエローサブマリンでの取り扱いがあるようです。発売日は2/28。
 第一弾デッキの販売時には絵違いカードが封入されたPRパックと、それぞれのお店のロゴがついたカードが封入されたPRパックが付属する模様。
 特に「鉄檻」「夜襲」「闇夜の工作」「脱獄」「環境不適正」「設計図」あたりは汎用性が高いのでこのパックから引けたら超ラッキー。

 自分はクラファンの段階で購入していましたが、実際にプレイしてみて足りないカードがいくつか出てきたので一般販売後にいくつか追加で購入しようと思っています。

 そして対戦相手と場所について。
 対戦できる身内がいるのが一番ですがTCGのデッキに友達は付属してないので対戦相手を見つけるのが一番大変。
 公認イベントや大会については公式のイベント情報やTwitter(自称X)で告知されてるので、そこを確認するのがベスト。そこに行って出会った方々と対戦するのが一番丸い。
 ですがそんなイベントに行けない、やってる地域じゃない方でもACGをプレイできるような環境があります。それが有志の方が立ち上げた交流用のサーバー。
 自分もそこに参加させていただいて、たくさん対戦したり新カード公開される度にワチャワチャと騒いだりデッキビルダーが構築したデッキリストを参考にしたりして楽しんでいます。
 やろうと思えば毎日プレイできるぐらい対戦が活発な環境です。

 最後に筆者のTwitterアカウントは@juveniler_。オタクのアカウントです。
 ACGについてはサーバーで発言してるのであまり呟きませんが…
 よかったらいいね・グッドボタン、フォローとチャンネル登録をよろしくお願いします(定型文)。
 それではまた。

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