岸田はアメリカに自制を促すのが本筋だ
今回の台湾危機は、有事において日本防衛を支援してくれるはずのアメリカ自身のほうが、台湾を手中に収めた後は日本に触手を伸ばす恐れがあると目されてきた中共そのものと、直接ガチンコで、緊張関係に陥っている事態(構造)なのだから、我が国・日本は、本来であれば、米中双方のあいだに分け入って、
「待ってくれ。このままでは我が領土が戦場になる」
と、懸命に仲裁和睦を訴え続けなければならない立場であるに、他ならない。
順番が違うのである。
戦争を起こそうとしているのが、アメリカ(民主党政権)自身だというところを、真っ直ぐに見なければならない。
つまり、日本が他国からの侵攻を受け、まずは自ら防衛に臨むが手勢では太刀打ちできないからと、日米安保を発動させてアメリカ軍の介入を求める、既存の想定シナリオと今回の場合とは、前提が全く異なる。
今回の場合、日本の首相はアメリカに自制を促し、
「そのやり方では困る、無用に中共を刺激しないでくれ」
と、最初に言っておかねばならないはずだ。
台湾問題を強引な形で俎上に乗せたら、本心はそうでなくても中共は、強硬策に出ざるを得ない。だから、台湾を好きにはさせないぞと明確なメッセージを中共に示す狙いで台湾擁護をアピールする程度なら構わないが、あまり急激に深入りするのは慎んでくれと、日本の首相は言明しなければならないはずなのだ。
日本の首相は、日本の安全保障に関して、最高レベルの責任を有しているのだから、しっかり個々の事態の本質を見極めなければならない。流れに任させるまま、強い勢力の言いなりになって、現状の様子見に甘んじているのではなく、今このとき、どうすることが日本の為、日本国民の為になるかを的確に判断し、直ちに臨機応変の柔軟な対応を決断しなければならない。
繰り返すが、岸田が今、なすべきことは、まんまとペロシの言説に乗っかって、自由と民主主義を守り抜くためだから彼女の行動を支持するといったような、紋切り型でアタマが空っぽの美辞麗句を弄ぶのではなく、
「しかし、このまま日本が戦場になってはいけないので、これ以上、強引なことはやめてくれ」
「中共とは、上手く渡り合ってくれ」
と、公式の場で明確にアメリカへ伝え、釘をさす行動である。
岸田は、このままだと対アメリカ完全従属の形を作り上げてしまう。
グローバリズム自民党は、その流れで憲法改正に繋ごうとしているが、私たち日本国民は、絶対に、これを現実にしてはならない。