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縄文の言語教材 『あわのうた』 を読む

『あわのうた』 ヲシテ文字表記(右)と かな表記(左)

 ほつまつたゑ・天の巻(一)・きつのなとほむしさるあや『東西の名と蝕虫去る文』と称される、冒頭の章の中に、この『あわのうた』は登場します。

アワ歌を教える~アワ歌お常に教えて

 縄文後期の子供教育は、アワ歌を教えて常に歌わせることから始まります。
 アカハナマ イキヒニミウク
 フヌムエケ ヘネメオコホノ
 モトロソヨ ヲテレセヱツル
 スユンチリ シヰタラサヤワ

 『ア』で始まり『ワ』で終わる四十八音のアワ歌を、カダガキ(葛掻き)打ちという奏法で弾く琴の音に合わせて歌うと、発音も発声もよく通るようになり、身体各部の働きは増し、頭脳は発達し、神経系の応答もよくなります。子供のみならず、アワ歌を歌えば健康が増進し、病気を寄せ付けず、長寿が得られるのです。

 日本語は単音語で、一音一音が意味を持つとともに、一音一音に神が宿ります。アワ歌を歌うことは言語教育であり、また天地自然の神を敬う教育の始まりでもあるのです。

 この教育原理に長じているカナサキは自ら実践して長寿を保ち、『スミヱノヲキナ(住吉の翁)』と称えられました。

 あかはなま いきひにみうく
 ふぬむえけ へねめおこほの
 もとろそよ をてれせゑつる
 すゆんちり しゐたらさやわ
 あわのうた かだがきうちて (***) 参照
 ひきうたふ おのつとこゑも
 あきらかに ゐくらむわたを
 ねこゑわけ ふそよにかよひ
 よそやこゑ これみのうちの
 めくりよく やまひあらねは
 なからえり すみゑのをきな
 これおしる わかひめさとく

[引用元]
はじめてのホツマツタヱ 天の巻 今村聰夫 著 かざひの文庫

はじめてのホツマツタヱ 天の巻 今村聰夫 著 かざひの文庫

(***) 書き下し

和の歌   葛掻き打ちて
率き歌ふ  自ずと声も
明らかに  五臟六腑・緒
根隅分け  二十四に通ひ
四十八声  これ身の内の
巡り良く  病あらねば
永らえり  住吉の翁
これを知る ワカ姫聡く

[引用元]
ほつまつたゑ解読ガイド
https://gejirin.com/hotuma01.html

ほつまつたゑ解読ガイド

あわのうた・読みくだし

あかはなま
いきひに み うく
ふぬむ えけ
へねめ おこほ の
もとろ そよ
を てれせ ゑつる
すゆんちり
しゐ たら さやわ

あわのうた・書きくだし (十樂)

開端天
活き光に 身受く
文和む 得け
隔辺 熾炎 の
元ろ そよ
陽 照れせ 熟つる
直斎繁
魄足ら 清や地

あわのうた・意訳 (十樂)

宇宙開闢の原初
活発な光によって届けられた周波数に基づいて実体が生じ
同時にメッセージを受け取りました
遠く離れた燃え盛る炎(太陽)の
根源もそれと同じです
太陽に照らされて成熟するのは
健やかな生命体の繁茂・繁栄
肉体が充足すると共に清妙なる大地が完成するのです


[参考]

みかさふみ かみよやまとな【神代和字】
https://gejirin.com/mikasa10.html 

十樂註

 おそらく、みなさま各自、何度かお読み下しになれば、お感じになってこられると思うのですが、まさしく、ほつまつたゑ『きつのなとほむしさるあや(東西の名と蝕虫去る文)』に記されている通り、この『あわのうた』の言霊(ことたま)には「健康が増進し、病気を寄せ付けず、長寿が得られる」ちからが備わっているように、私は思います。しかも、それと併せて、わずかこの48文字の中で、宇宙開闢から生命体繁栄のサイクルそして地球(くにたま)の完成までが、大和言の葉(やまとことば)と、その個々に宿り給う言霊(ことたま)の連鎖によって、ものの見事に表現し切られているのは、文字通り驚嘆に値いいたします。

 私たちが縄文と呼ぶ、いにしえの神代において、この『あわのうた』が、人びとの「発音も発声もよく通るように」なるための言語教材であったとされる点にもまた、非常に興味深いものを、私は直感いたします。おそらく現代においても、五十音表や”いろは歌”ではなく、この『あわのうた』を日本語の発音の基礎教育に応用するのが、日本人にとって最も有効で合理的なのであろうと、私は率直に思います。

 斯くして、『ほつまつたゑ』こそ、日本の神話・古典文学・古代史そして言語を習得する上で、欠くことのできない重要テキストであると、私は確信するに至りました。

 是非とも、我が国の初等教育において、優れた教材として、活用していただきたいと念じます。

ヲシテ文字(縄文時代の文字のひとつ)
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