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東へ
2025。
年が明けた。
前回から少し間が空いてしまった。
12月半ばにちょっとした事件があったのでそれを下書きして見直しているところだが、新年一発目にするには少し暗い話であるのでまだあとにしておこう。
このお正月は少し慌ただしかった。
というのも、わりと年末に家人が旅行の計画を立てたからだ。
1月も3日から一泊二日で知床方面へ。
ポケふた、というのがあるのをご存じだろうか。
ポケモンの特別なイラストが描かれたマンホールの蓋が、日本各所に設置されているのだ。
ポケモンにも様々な種類がいる。
それぞれの特産や名所などにちなんだようなポケモンがチョイスされて描かれていることが多い。
また地域振興の一環でもあり、目当ての一つとして人々が訪れるよう、昨今の災害のあった地域には特に多く設置されている印象だ。
さて、北海道はでっかいどう、このポケふたも東西南北各所にある。
とっても大好き!というほどではないが、二人ともポケモンとともに育った世代、私の方などはメインのゲームはいまだそれなりに追いかけている。
なのでお出かけの口実や寄り道するには丁度よく、ちまちまと写真を撮りに出かけている。
日帰りで行けるようなところは概ね訪れたので、そろそろ残りは遠方、泊り必須となっていた。
といっても今回は、わざわざポケふただけのためのお出かけではない。
それを拾いがてら、メインは鳥。
オオワシやオジロワシを見つけに行く旅だ。
オオワシはこの近辺でも生息はしている。
しかしそう簡単には見当たらない。
一度シマエナガを探しに行ったときに空を悠々と飛んではいたが、その一度しか会っていない。
海ワシとも呼ばれるオオワシやオジロワシ、海沿いの方が期待できる。
それに家人は一時、羅臼で漁師をやっていたことがあるらしい。
久しぶりに行ってみたい気持ちにもなったのだろう。
そういったたくさんの目的での旅。
一泊とはいえ残される家、雪や気温も心配ではあったが、あっという間にホテルまでとっていたので祈る気持ちで決行。
道中の万が一を考えて、毛布やカロリー高めのお菓子なども車に積んで。
さて当日。
天気予報によると気温は上下とも低すぎず、雪もそこまでは降らなそうだった。
少しほっとして、朝早くから出発。
しばらく走り、普段通るようなところを抜け出し。
すっかり日中になると、あまりの快晴っぷりにサングラスがあってもまぶしいくらいだった。
北海道の冬は雪で白い。
晴れると全方向から反射する光で、夏よりも眩しいのだ。
そして車内もどんどん暖かく、そして暑くなり、家人などは半袖シャツにまでなっている。
そうしてポケふたを拾いつつ、昼過ぎには羅臼に到着。
知床半島の根本のあたりから少し雪がちらついていたが、このあたりでは吹雪いていたり止んでいたり、くるくると変わる天気だった。
家人は懐かしい懐かしいと、あそこに住んでいたんだ、あそこが網元の家だった、と教えてくれる。
ちらちらと漁港が見え、カモメが飛び。
しかしワシたちは見当たらない。
冬は閉鎖される道が多いので、行ける範囲まで北上し、そして仕方なく引き返す。
その道がてら。
いた。
山側の木にとまっている。
そう、私たちは海の方ばかり見ていた。
知床は山で、海側に本当に少しばかり人間の土地がある場所だ。
内陸の住まいで久しぶりの海、家人の思い出。
海ばかり見ていた。
そうして気が付くと、少しずつ見つかった。
オオワシ、オジロワシ。
やっと会えた。
そして網走まで戻って宿泊し、また次の日。
この日もとんでもなく快晴でサングラス必須である。
ふたたび知床方面へ向かい、今度は半島の北側、斜里・ウトロの方へ。
こちらにはポケふたもある。
同じ漁師町だけど反対側で全然違うよ、と家人は言う。
まさに全然違った。
羅臼は良くも悪くも昔ながらの漁師町という感じであった。
対して斜里の側は観光にも力が入っているようで、遊びにきて!という雰囲気が感じられる。
どちらがどうではないが、なかなか興味深かった。
さて、こちらに向かう最中にも、オオワシが見れた。
今度はしっかり飛んでいる姿。
下から見てもくっきりとしたコントラストが美しく格好いい。
そして帰路へとつく。
もちろんポケふたを拾いながら。
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行きは遠軽のポケふたのためと北側を通ったが、帰りは北見のポケふたに行きたかったのでやや内陸側へ。
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そこを通っていて驚いた。
道東は雪が少ないとは聞いていたが、こちらに比べて本当に少ない。
街の道路沿いに山ほど積まれていないし、道路自体もなかなかに見えている。
通ったときはもちろんだが、帰ってきたときにますます実感した。
さて、そんな家の積雪が心配ではあったが、なんとか想定内といったところで済んでいた。
疲れもあるし、もう夜。
除雪は次の日で。
こうして正月の弾丸旅が、無事終わったのである。