スズメバチに注意
スズメバチに関する危険性についてご紹介します。行政のサイトなどを参考にさせていただきました。特に春から夏は要注意です。
..................................
『ハチに刺された時にはアンモニアをつけろ、小便をつけろ』などと言われていますが、スズメバチの毒を化学的に分析してみると、効果がないことがわかります。
スズメバチの毒はセロトニンやヒスタミンなどのアミン類や、ハチ毒キニンばどであり、ほぼ全てがタンパク質でできています。アンモニアはタンパク質を分解しないので、スズメバチに刺された時にはアンモニアをつけても効き目がないのです。
ただし、ブユとかアブなどの毒は酸性が多く入っていますから、アンモニアで分解するので効き目があります。では、スズメバチの毒性は人間に対してどのように反応するのでしょうか?このとき、ヒトの持つ抗体の中でも非常に重要なのがIgE抗体です。
これはスズメバチの毒と反応すると非常に鋭く反応することが分かっています。アレルギー体質の人がスズメバチに刺された場合には非常に危険な状態に陥る可能性が大きくなっています。
アレルギー体質(IgE抗体を多く持つ)の人がスズメバチに刺された場合の反応はどのようになるのか?刺されて30~60分間位の時間帯の中でその場には立っていられなくなって倒れてしまいます。つまり、意識がなくなることです。これが『アナフィラキシーショック』の状態です。
ほぼ危篤状態に陥っていますから一刻も早めに病院に行って処置をしなければ命に支障が出ます。倒れてそのままに時間の経過だけをしていた場合には死に至ってしまいます。
刺されて一度目の場合には差ほどの反応は出ませんが刺される度にその差が多きなってきて最低3度目位にはアナフィラキシーショックが出てくる場合が多く見られます。
応急処置方法:スズメバチに刺されたら一刻も早めにその刺された部位を口や手などを利用して毒液を外に吸い出すか絞り出すこと。スズメバチの毒はは水溶性であり水などに溶けやすいので素早くその部分を洗うこと。刺された部分は非常に熱くなっていますから氷か冷水などで冷やすこと。
抗ヒスタミンの軟膏・副腎皮質ホルモン軟膏などがあればその部分に塗りつけること。また、上記の錠剤などがあれば数錠多目の水分で飲んでおくこと。一刻も早めに(救急車などの)病院に行って処置をすること。
上がスズメバチに刺された場合の応急処置方法であり絶対に刺されても自分は安心なんだと思わないでどうしても刺されて場合には上記の内容をよく把握して処置を行なって下さい。
できれば刺されないのが一番です。刺されてしまった時には上記の応急処置を行ないつつ一刻も早目の病院での処置をしなければいけませんので救急車要請となります。屋外作業の多い方などは、要注意です。
スズメバチの巣作りは、だいたい4月~6月の上旬ごろなので、この時期は特に注意が必要です。
以下、まとめです。
・夏から秋は活動が活発になるので巣に近づかないことが第一です。巣作りの時期も危険です。
・大きな音や香水などの匂いに敏感なので刺激しないこと。
・万が一スズメバチに遭遇したときは、ゆっくりその場を離れること。
・ハチが寄ってきたからといって、手やタオルで追い払うことは大変危険です。
★刺されたらすぐに救急車です。
【追記】先日、香川県の栗林公園で造園の方とお話しする機会がありました。やはりお仕事を始められたときに刺されたそうです。屋外の作業はなにかと危険が伴いますね。
【参考】東京都環境局 自然環境部計画課HP
江東区HP
富士吉田市HP
似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/publish/
ブログ「獣医学の視点から」
オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?