細菌分類の歴史とその発展
細菌学!それは獣医学科の学生にとって、険しいハードルでした。学科ができるだけではダメで、実習の試験に通らないと単位がもらえません。
半年間下関にある水産大学校で研究生として学ぶ機会がありました。そこで感じた時代の違いなどについて、考察したいとおもいます。
約30年前の細菌学
私が毛獣医科大学の学生の頃は遺伝子工学というものがなく、あっても一般に応用されていなかったのです。授業にも遺伝子工学はありませんでた。
その名条件下で、細菌の同定をするのは、一つ一つの試験で、YES/NOを判断し、フローチャート方式で結論に至る方法しかなかったのです。
細菌学実習は内容がわからない菌を与えられ、それを同定するというのが課題でした。うまく同定できれば単位がもらえます。すぐに同定できないと、延々と検査を繰りかえすことになります。当時はバージーの最近マニュアルが「バイブル」と呼ばれていました。
次に出てきたのが、ローヌメリュー社紗から発売されたアピストレップです。ひとつずつのホールに最近と試薬を入れ、最後に二進法コードで判定をする仕組みでした。勤務先でこれをしったとき、そのすばらしさに驚嘆しました。アピは嫌気性菌も同定できるきキットがありました。
遺伝子工学による同定
しかし、アピの転嫁も短かったのです。数年後保健所に勤務すると、どこでもPCRが先生でした。世の中は早く移り変わるものです。何よりすごいのが、各自治体の研究所でもれなく、PCRが導入されていることでした。
さすが日本で、保健所や水産試験場の職員にも早く浸透したようです(たまになかなか技術が習得できない方もありますが)。「このあたりかな?」ではなく、「この菌です!」とはっきり断言できるすばらしさがあります。
浸透するのは当然でしょう。
今までの苦労はなんだったの?という気がしてきます。
原始的な方法も馬鹿にはできない
そうはいいつつも、いつもいつも素晴らしい装置で鑑定ができるわけないのです。顕微鏡による観察や、せめてグラム陰性・陽性の決定くらいは覚えておきましょう。機械がなければ何もできない技術者になってはいけません。
今、ここで、何ができるか?
を考えて実行するのが、サイエンティストの基本だと思います。
似内惠(獣医師・似内産業動物診療所院長))
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オールアバウト「動物病院」コラム
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