アライグマ・ハクビシン被害の拡大
以前和歌山県の家畜保健所に勤務していたときのことです。農家さんの訪問が午前と午後になるときは、どこかでお弁当を食べなければなりません。大抵は公園などのベンチで、それがないときは神社の駐車場などです。
神社によっては社務所の軒先などが借りられるので、そこでお弁当を食べることがあります。ある日、そうしていると、縁の下から見慣れない生物が出てきました。ハクビシンでした。特に攻撃的になることもなく、どこかに行ってしまいました。
ハクビシンとは
見た目の特徴としては、白鼻芯(ハクビシン)という名のとおり、顔の中心部の鼻から額にかけて白い線があることが特徴です。
基本的に夜行性ですが、昼に行動することもあります。
体が軽く木登りも得意です。電線を渡って移動する異もあります。
雑食性で小動物や果樹などなんでも食べます。
と群馬県太田市のHPにあります。画像もそちらからお借りしました。
アライグマについて
外観はタヌキと似ていますが、尻尾がし様で顔は眉間に黒い線があります。
は4~10キログラムほどで、らいの大きさです。雑食性で果物・トウモロコシ、畜産飼料なども食べます。]夜行性で水辺の近くを好み、寒さにも強い動物です。
アライグマは、もともと北米大陸からペットとして囗本に輸入され、逃げ出したものが野生化し、増えたといわれてい繁殖力が強く急激に個体数を増やし、納屋などをすみかにします。また、農作物や水産物、家畜飼料を食べるなど悪彫響をもたらすとして、特定外来生物に指定されています。
特に北海道にはアライグマの天敵となる生物がいないため、個体数の
増加とさらなる被害の拡大が懸念されています。令和元年度の北海道における被害額は、約1億2000万円でした。
一方、アライグマの被害については数十年前から問題になっています。こちらは奈良県の保健所勤務の際、捕獲されたアライグマを処分するために、獣医師の方が来られていました。毎週のように処分があったので、たくさん捕獲されていたようです。
外見は可愛いですが、性格はかなり狂暴です。
タヌキとよく間違われがちですが、見た目の特徴としては目のまわりの黒いマスク模様と尻尾に黒い縞模様があることが特徴です。
基本的には夜行性ですが、昼でも活動します。雑食性でなんでも食べます。
手先が器用でスイカなどは穴を開けて中身だけを上手にくりぬいて食べます。アライグマは一時ペットとしての飼育が流行しました。
アライグマ・ラスカルというアニメのおかげで、ペットとしての人気が出たそうです。
しかし犬猫のように人になつくことがありませんでした。そうした飼主が捨てにきたのが大坂府北部の山中だそうで、そこで繁殖しました。アライグマの住処は私が出会ったハクビシンのように、普段は無人の神社の屋根裏などです。柱を登って、屋根裏に住み着くことも多いのです。どちらも野菜や果実への被害が大きいので、困ったことです。
ヌートリアといい、アライグマといい、人の勝手さがもたらした結果です。彼らは住みたくて人の領域に住んでいる訳ではありません。
【参考】群馬県太田市のHP
似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/
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