真面目に、長生きをしようという話
40代で死んだ二人の友人
私は40代で死んだ友人が2名います。100歳まで生きる時代にしかも女性です。一人は獣医師で、3人の子供を置いて死んでいます。私が勤務先を紹介したのですが、折り合いが悪く続きませんでした。その後、連絡が取れない間に、自宅で亡くなっていました。
もう一人は、高校の先輩です。
海外旅行が好きで、ニュージーランドに行き、数週間後にネパールに行って、クモ膜下出血で死んでいます。環境が変わりすぎたのでしょうか。
どちらの女性も、家庭内で何かと悩みがあったようです。しかしこの100歳生きる時代に、勿体ないことだと思います。
早く死ぬのはもったいない
当たり前の話ですが、年金は死んだら終わります。似たような年金型保険も同様です。また、日本ほど高度な治療が安く受けられる国はありません。介護施設も職員の方が親切です。
外国が日本より素晴らしいという方もありますが、総合評価ではやはり日本でしょう。あれほど日本と日本人をこき下ろした犬養道子さんも、日本で高齢者向け施設にお入りになっているようです。それだけ日本の高齢者ケアは素晴らしいのでしょう。
先に死んだ2名の方々は、こうした高齢者に手厚い日本を見ることもなく死んでいます。誠にもったいないです。
みっともなく、しつこく長生きをしよう
動物とはいえ、命にかかわる仕事をする者の意見はこうです。
「死ぬのはいつでもできる、また思いがけないことで命を失うこともあるので、できるだけ生きるということに執着しましょう」
時々、高齢者男性で、病気や基礎疾患のある方が「俺はもういいんだ」
と仰る方があります。何がもういいのでしょうか?
一方彼らの奥さんは、生に執着し、検査や膝関節の手術を着々と受けています。
こちらのほうが生物としては正直です。健康に気を配らない女性もたまに見かけますが、やはりちょっと異常があれば病院に行き、その結果として90歳代の女性が増えています。
日本に生まれたというチャンスを生かし、年金をぎりぎりまで受け取り、安い医療費の恩恵を享受しましょう。長生きしないと見えてこないものもあると思うのです。
いろいろやりたいこともあったでしょうに、早く亡くなった友人を追悼しつつ、この一文をしたためました。
似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/publish/
オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/
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