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花も実もある開業とは?
花も実もある開業とは?その1
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開業で、研究もやって、しかも病院がはやる、ということなら、迷わず奈良の中山正成先生をあげたいとおもいます。私が最初にお会いしたときは、ちょうど研究のため、医学部に通っておられたころです。病院もたくさんスタッフがおられました。とても就職したい病院でしたが、子供が小さく、当直ができなかったので諦めました。今でも残念なことです。
しかし、オールアバウトの記事を書く際に、最新の脊椎疾患治療ということでインタビューができたのが、嬉しいことでした。こちらに先生の紹介があります。https://petlife.asia/interview/080-1/
拙著「こんな動物のお医者さんにかかりたい」で取材に伺った際も、いろいろご協力いただきました。開業で忙しく、研究などやってられないという話も聞きますが、これはすごいという先生は、必ずどこかの段階で、専門を作り、研究をされています。それが治療に反映して、遠方からも治療に来られるようになります。
それを実現されたから、今の病院の繁栄があります。先生は会長になられ、診療でお会いすることはありませんが、今の病院の基礎を作られ、後継者もちゃんと指導されている点で、花も実もあるといってもよいと思います。
花も実もある開業とは?その2
もう一人 名前をあげるとすれば 、それは宇治市で病院を2件 お持ちの林屋先生ではないでしょうか。 林屋先生は私の犬を昨年 手術 させていただいたことから 色々お話しする機会が多くなりました。それまでは遠くからすごい人だなと思っていたのですが、お話を伺うと何かと経営のご苦労もたくさんあったということも伺うことができました。 先生は現在、大きな病院を1つ お持ちで 、そこは CT なども備えていて スタッフもたくさんおられるのですが、以前 開業されていた場所でまだ診療をされています 。
そのあたりも素晴らしいと思います。子供がいて、しかも獣医師になっても病院を継がないとい例も見ていますので、血縁に限らず後継者がいて、そして自分の実績がこれからも積み上がってそういう開業が大変に素晴らしいものなのではないでしょうか。
どうすれば花が咲く?
「花も実もある」は思いつきで行っているのではありません。 まず花が咲いて そして実がなるのです そ。して花が咲くのは改行の最初から 比較的地味なこと それがまず第一歩 なのだと思っています。
クライアントさんを一人一人 大切にすること 、加えてご縁のあるスタッフさんを大切にすることそういうことが 花が咲く 第一歩 なのかなと思ったりします。 とても素晴らしい経歴や有名獣医科大学の卒業生であってもス、タッフさんを大事にしなかったり 研究の方に重点を置いてしまって クライアントさんの犬や猫を実験台 代わりにした するとお客さんは離れて行ってしまうように思います。
どうすれば実がなるか?
実がなるのは花が咲くよりもうちょっとグレードが高いのです 。
実がなるには 窒素などの栄養が必要だったり、そういうプラスアルファの要素が必要です 。色々な病院を拝見していると 、そこそこ お客さんが来てまあなんとかという程度に流行るのは 比較的あるように思います。「うん、よく頑張ってるね」というレベルです。しかしが 行列ができたり 駐車場に車が入れなかったり、そういう病院がありますよね。
そこまで行くにはもう少し違う要素が必要です。 先に述べた 中山先生のように があってそこが飛び抜けて素晴らしく評価されるとお客さんは遠方からでも必ずやってきます 。そして 治療費が高くなっても払ってくださるのです。
次にの場所 顧客の数 それも 次のステップとして必要になると思います 。最初の段階でどこで開業するか 、多くの獣医師は考えて場所を決めるのですが 。最近は場所選びも難しくなっています。これを 案外 場当たり的にやる方もあります 。
周囲の状況を見て このぐらいのクライアントは自分が取れるなと思うところを考えちゃんと 開業しているかは とても大事です 。周りにライバルが多いのも何かと気を使います。
最も大事なのは 犬猫が飼える一戸建てが周囲にたくさんあることではないかと 思います。自宅に空き地があるから、というような考えはNGです。だって、犬猫は飼い主が連れてくるのです。歩いてこれる距離にどれだけ犬猫が住んでいるかをまず考えます。
犬猫の数をmとすれば、mかける定数=売上です。他の経営要素も必要ですが、基本はここです。
こんな簡単なことなんですが 、この頃 それ真剣に考えるようになりました 。要は 自分が使えるパイの大きさです。パイが小さければ 顧客も少なくなります し、まして そのパイを 近隣の同業者と 奪い合うと何かと大変なことになると思います 。
そういう場所を早めに見つけて早くに その辺りの顧客を抑えること これで大きな実がなるのではないかとそういう気がします。
しかし 開業獣医師の仕事は一人でやることではありません ふさふさの協力があって できることなので そういう人を育てるということも自分としては 重要視しています。この件については、またどこかで書きたいと思います。
似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/edit/
オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/