つぎの10年へ 創造系不動産の改革
2021年10月。創造系不動産は創業以来、たくさんの顧客と建築家とメンバーに支えられて、10周年を終えることができました‼︎ ありがとうございます。ほんとうに感謝しかありません。ほっとした、というのが経営者の本音です。10年… 色々あったけど振り返らず、その成功体験もさっさと捨て去り、どんどん改革を急がないといけません。ここは忘却力(※1)が大事です! 『江之浦測候所(※2)』のように、もう先の光しか見えません!
新しいメンバーに託す
まず創造系のチームリーダーが、なんとガラッと全員交代しました。新リーダーは、入社3年目の川原聡史さん(芝浦工大出身)と、2年目の山岸亮太さん(横浜国大出身)。そしてサブリーダーはなんと入社1年未満の、山中敦之さん(東京理科大出身)と、同じく片山浩一さん(首都大東京/都立大出身)。その下に、長年勤めるベテラン先輩が支えるという体制に、大きくシフトしました。
私はこのチーム体制は、創造系の最強時代をつくると思っています。長年創造系不動産でリーダーを勤めたあと、愛知県の瀬戸で独立起業している「きんつぎ」の野々垣賢人さんがいて、同じく長年創造系でリーダーを勤めた佐竹雄太さんは、東京で不動産業の独立準備中! そしてやはり長年創造系でリーダーを勤めた藤谷幹さんも岐阜で不動産業の独立準備中! 最ベテランの須永則明さんは不動産売買のマネージャーに昇格! 創造系を牽引してきた彼らだって、もともとリーダー経験ゼロ。研修やビジネススクールを受けながら、組織経営を学んできました。その試行錯誤ごと、引き継ぎます。
部分倒産があり得る創造系のチーム制
ご存じの方もいると思いますが、実は創造系のチームは独立採算制。チームが小さな会社のようになっていて、営業から契約からPRまで、すべてリーダーを中心に自分たちで考え、行います。
チーム組織がより小さいので、意思決定も早い。またリーダーの個性で、チームの性格は変わります。もともと能力が高いみんな、その多様性がどんどん成長します。
チームの倒産もあり得ます。売上や自分たちの給与を含めた経費も明確ですから、チームが十分に稼げず、配賦されたキャッシュが尽きたら、そこで倒産。あっけなく。普通の会社と同じですね。そうしたシビアさはあります。特にリーダーにはそのプレッシャーも。でもだからこそ、独立起業前に学んでおくべき。経営は絶対に学べます! しかも早い方がいい。独立後に到達できる高さが違いますし、創造系のチームリーダーで黒字を出し続けるというのは、すでに経営者として実力があります。
創造系不動産のミッション
創造系不動産は、幸運なことに使命があります。「建築と不動産のあいだを追究する」。縦割りのふたつの業界が手を取り合えば、建て主や社会にもっともっと貢献できる。たったこれだけですが、続きがあります。建築と不動産のあいだを追究して、「それができる特別な人材をたくさん育成・輩出し、みんなで日本の将来に貢献すること」です。
創造系をはじめた私より優秀な人材、個性的なメンバーがどんどん集まってきます。私もそうだったように、設計事務所で働いたあと、近い将来を悩みながら不動産の門を叩き、そして「建築と不動産のあいだ」を体得し、いつか独立して行きます。建築家のみなさんも、ぜひ後押しお願いします。設計事務所をお金や不動産側から支える会社が、ぜんぜん足りていないので、たくさん作りたいんです!
「建築と不動産のあいだ」の技能を持つ人材の輩出。それが創造系の存在価値です。なーんてかっこいいこと言いながら、実際は辞めたら悲しいやら、競合が増え恐ろしいやら、かなり複雑な心境ですが、それこそが会社をつくった目的。そういえばちょうど会社説明会があるので、ご興味ある方は、ぜひ以下、のぞいてくださいね。(2021.12.10)
隅田川クルーズ
先日、10周年記念ということで、創造系メンバー全員と、そのご家族、あと数名のOBが集まって、都営水上バスで隅田川クルーズしました! 創造系がある両国から川を下って東京湾近くまで、そしてまたぐるっと戻る。雨予報だったのに、天気は快晴! 最高!かなり楽しかったです。全員が集まったのは、何年ぶりだっけー。
ここのところ新型コロナウイルス対策で、みんなが集まることなんてできませんでした。みんなや顧客の安全のため、徹底してやってきましたが、一方で反省しています。もっと会って仕事ができる方向に努力すべき。
でもこうして、私たちが未来のことを考えることができるのは、改めて、創造系不動産を支えてくれた顧客と、たくさんの建築家のみなさんのおかげです。良ければ一緒にワクワクしましょう!
※1 忘却力…忘れたくないんですけどねえ。『ストラテジック・イノベーション』の中で、ゴビンダラジャンは、新規ビジネス開発で必要なものは、資金力や技術力よりも、これまで培ってきた成功体験、企業文化、ビジネスモデルを捨て去ってしまう「忘却力」である、という。
※2 トップ画像は、小田原文化財団の事業である『江之浦測候所』。杉本博司による構想、杉本博司+榊田倫之の新素材研究所による基本設計、榊田倫之建築設計事務所の実施設計・監理。特別な空間を、杉本博司さんと一緒に歩いた特別な時間でした。
#建築 #不動産コンサル #創造系不動産 #建築と不動産のあいだ