TRPGにおける『上手さ』の分類について
以前書いた、『TRPGを上手くなるの必要性』の記事の中で、触れていた『上手さ』の分類について書きました。
※【TRPGを『上手くなる』の必要性】
https://note.com/jusui_gen/n/n32293bc18c80
一言で『TRPGが上手い』と言っても、その分類は膨大であり、比較的多数の方が『上手い』と感じる項目を上げるだけでも、100種類は超えるでしょう。
例えに幾つか挙げるなら、
・場の全員に対するホスピタリティの高さ。
・的確なルール運用(システムの知識・そのジャンルに関する知識・セッションの経験値等々)
・数値の処理(数値的にバランスが取れていて、皆が納得する処理等々)
・ロールプレイ(説明・描写・演技等々)
・シナリオ(発想力・表現力・システムとの親和性等々)
・場の準備や人を集める能力……etc
立場をGMとPLに分けて考えれば更に項目は増え、システムやジャンルごとに細分化すれば、ほぼ無限の要素が存在すると思われます。
しかし、それら全ては『楽しいセッション』という【目的】を実現する為に必要な【手段】です。
あくまで【手段】である以上、【目的】に至る可能性は無限に存在し、それ自体の良し悪しのみに主眼置いた議論にはあまり価値が無いと感じています(方法論の議論は極めて有益だと思っていますが…)。
【手段】である技術や知識が理に適っているか?
実践出来ているかは【目的】の達成をもって是非を結論付けるべきと考えます。
簡単に書くなら『特に考えず、フィーリングだけでも、皆が楽しければ【是】』『知識や技術だと、偉そうに御託を並べても、皆が楽しめなければ【非】』という事です。
※私の経験では、ある一定以上の経験を積んだユーザー達に【上手い】と言われているテーブルトーカー達の多くは、自分なりの手法をある程度体系化していると記憶している。
私が個人的に考える所の理想的なテーブルトーカーは、
『GMならPLを、PLなら他のPLやGMを、自分が楽しみながら、楽しませる事の出来る人』だと考えています。
メンバーによって経験や趣向に振り幅や違いが出ますが、その振り幅が広い程、そのメンバーと楽しいセッションの出来る方は【上手い】人という事になりますね。
メンバーや場に合わせて、必要とされる【手段】が変わって来る事は言うまでもありませんが。
仲間内のセッションなら事前に話し合ったり、ある程度の信頼関係も築けますが、フリーコンベンションでは、初対面の方達と知識や趣向の擦り合わせをしながら遊ぶ必要が有ります。
初心者対応となれば、考慮すべき方向性も慣れた相手とは全く変わって来るでしょう。
同じコンベンションスタイルでも、オンリーコンやデザイナーイベントではイベントのコンセプトや参加者の趣向や知識が変わって来ます。
常に楽しいセッションを実現する為には、ある程度『上手さ』の分類について意識しておく必要があるでしょう。
『上手さ』を意識せずに、実際に『上手く』なる事は極めて難しい事です。
『上手く』なる為に必要な認識として、私個人としては以下の事に気を付けています。
1.『上手さ』の分類を【手段】として意識する。
※大事なのは【目的】である為、【手段】の是非で相手を判断しない。
2.自分の『理想のセッション』という【目的】に必要かどうかを基準に、【手段】の良し悪しや必要性を考える。
※大多数が【是】としていても、自分に合わない【手段】を使わない。
極めて少数派の【手段】でも、それを使いこなして【目的】を達成する者は居る事を認識する。
3.【手段】には人によって『合う』『合わない』がある為、良し悪しが人によって異なる。
※万人に共通の正しい技術や知識は無いと認識する。
自分を例に提案は出来ても、具体的な指導は極めて難しい事を認識する。
4.『上手い』と感じる相手がいても、相手が使っている【手段】が自分のスタイルと合うとは限らない。
※合わなくても参考にはなるので、その場で極力、色々な質問をしておく。
5.【手段】の良し悪しは【目的】の達成よってのみ評価される。
※何をやっても『皆で楽しいセッション』が出来れば勝ちである。
逆に、どんなに知識や技術を磨いても『楽しく』なければ負けである。
結果から【手段】の評価や見直しを図る。
まあ、色々頑張っても『全然合わない奴』は居ますし、
『メチャメチャ面白い』のに理由が良くわからない事もあります。
『楽しい』と感じていられる内は色々頑張ってみて、楽しくなくなって来たら、考えるのを一旦お休みする。
その位が丁度良いのだと思います。
大事なのは、無理せず楽しみながら、自分に合った【上手くなれる方法】を探す事だと考えます。