会員登録率を15%上げた方法 ~noteの改善の現場から~
こんにちは。ピースオブケイクでnoteの開発をしているjustinです(2018年6月で退職しました)。
10月に深津さんがCXOに就任して、早2ヶ月が経とうとしています。
週1回グロース会議を行い、そこで話し合われた内容がどんどんリリースされています。
定期的に深津さんがnoteのカイゼン施策をノートにまとめていますが、現場でどんなことが行われているのかはあまり公開したことがありませんでした。そこで、この記事では少しだけ施策の裏側をお話したいと思います。
この記事では「最近のnoteカイゼン(11月中半)」で紹介された、
課金時のユーザー離脱を下げるチューニングを施しました
にスポットをあてます
カイゼンの流れ
ざっくりですが、カイゼンの流れは以下のようになります。
1. 購入導線を洗い出す
2. データを取る
3. 数字の著しく落ちているところを探す
4. 改善案を考える
5. 実行する
6. 評価
上の流れはcakesの記事でも解説されていました。
CXOが加わってcakesとnoteのデザインチームが目指すもの https://cakes.mu/posts/17925
—— え、なぜ? もっとこう、note・cakesアプリの使い心地を良くするとか……。
深津 だから、それはUXデザインのほんの一部、しかももっと後にやることなんです。最初にやらなければいけないことは、noteやcakesのあらゆるデータを可視化すること。そこから、noteとはこういうものである、cakesとはこういうものである、ユーザーはこういう人達であるということを、定量的に見える形にしてチームの間で共有する。 並行して、定性的なインタビューやユーザーの観察もして、noteやcakesとは何かという輪郭をはっきりさせていくんです。その理解が、チーム全体に行き渡るようにするのが第一段階ですね。輪郭がわかれば、目指すべき形と現在の形はどれくらい違うのか、どこに欠けがあるのか、といったことがわかってくるので。
順番に見ていきます。
購入動線の洗い出し
noteではノートを購入したり、ノートを束ねたマガジンを購入/購読したりできます。今回はノートの購入に限ってみていきます。
ノートを購入するためにはどこからか、購入モーダルを開き、決済方法を選んで、確認ボタンを押す必要があります。
一見かんたんそうですが、意外と複雑です。まず、ユーザーの状況(ログインしているかいないか、クレジットカードは登録されているかどうかなど)によって開かれる購入モーダルは違います。また、決済方法もクレジットカードや、キャリア決済など複数あります。
そのような点をふまえて、ノート購入時のフローを図にすると以下のようになります。
データのとり方
こちらは各動線の遷移にGoogle Analyticsのタグを仕込むことで計測しました。
他にも自社データベースに保存する方法などいろいろあると思います。ここは手探りでやっています。
数字の落ちどころと改善案
そうして1週間ほど計測し、購入フローの中で数字が落ちているところを見つけます。
今回はゲスト購入と呼んでいる、ログインしていない時の購入に注目しました。
noteではログインしていなくてもコンテンツを購入することができますが、その後に会員登録のすることでより便利に使うことができます。運営側としてもユーザとのつながりを作り、継続率を上げるために大切なポイントです。
ゲスト購入のあとにユーザー登録する画面が現れます(24番のフロー)。
この画面での会員登録率が我々、サービス提供側の肌感よりも低かったのです。
ここは、ノートを購入するという、エンゲージメントの高い行動をしている後なので、もっと会員登録してもらえるはずでした。
そこで以下のようなカイゼンを施しました
結果、購入後の会員登録率が上昇!
上のように会員登録画面を変更したところ、なんと15%も会員登録する人が増えました!
これから
ほかにも、同様の細かいカイゼンをたくさん行っています。また紹介できればと思います。